なくもんか

水田伸生監督。宮藤官九郎脚本。阿部サダヲ。瑛太。竹内結子。いしだあゆみ。
祐太と祐介は幼い頃、無茶苦茶な人生を送る父・下井草健太(伊原剛志)に捨てられ、お互いも知らずに生き別れていた。不幸な生い立ちにもかかわらず、笑顔で毎日を生きる2人。祐太は、頼まれごとをされると何一つ断ることができないお人好しだが、8歳のとき、東京下町・善人通り商店街の“デリカの山ちゃん”店主に実の息子のように優しく育てられた…。
ずっと不幸な時間帯を生きていたので、しばらく映画など見る気にはなれないでいた。風邪で調子が悪いのだが、気分転換は明るいコメディにした。
まとまりのない破調の展開は宮藤官九郎の真骨頂である。そして、疑似的家族がリアルな家族よりも、本物であるというのも現代的である。本当の貧乏兄弟物語よりも、嘘だらけのでっち上げ贋兄弟物語のほうが大衆受けするというのは批評的である。

なくもんか。と言いながら、泣いてばっかりである。阿部サダヲ。相変わらず、面白い。三平の真似をしたり、二枚目をしたり、オカマをしたり、何をやっても素の面白さがある。
本物の家族も贋の家族も救いにはならないだろう。だけど、生きていくには何らかの知恵が必要だろう。そのぎりぎりの希望を与えてくれる作品である。
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