« テッドきたる | トップページ | 約束と信義-直木賞作家 北原亞以子さんを悼む »

2013/03/10

八木啓代著「禁じられた歌」を読む

八木啓代著「禁じられた歌 ービクトル・ハラはなぜ死んだか」を読む。アップルストアからiPod用のkindleをダウンロードし、その後、キンドル用にカスタマイズされた「禁じられた歌」を有料ダウンロード(キンドル版880円)した。

もともとは1991年に晶文社から出版されていた本だが、絶版だったこともあり電子書籍版としたのだそうだ。やぎ・のぶよさんは京都外国語大学イスパニア語学科卒業。歌手、エッセイスト。

1970年代初頭のチリの社会主義・アジェンデ政権といっても若い人には実感がないかもしれない。それまでの社会主義政権は武力革命か第二次大戦後のソビエトロシアの衛星国化でもたらされたが、チリにおいては選挙において初めて社会主義勢力の連合が勝利した。スターリン批判以後、武力革命路線から転換しつつあった国際的な社会主義勢力が熱狂的に注目しているのを、傍目ながら見ていたものだ。

だが、わずか3年、政策が行き詰まりつつあるのに乗じて、軍部がクーデターを起こし、アジェンデ大統領は死亡した。混乱の中で、多くの民衆への軍事弾圧が繰り広げられた。その渦中で虐殺されたのが民衆芸術家・歌手のビクトル・ハラである。本書はビクトル・ハラの死の真相に迫った力作ルポである。

八木さんの若さもあったのだろうが、事実に即するための取材姿勢は本当に感嘆するものがある。この真面目さはとっても貴重である。そして中南米の音楽の凄さの一端を知った。個人的にはスペイン語を学んで、キューバ、メキシコなどに行きたくなってしまった。

ちなみに、福島原発事故以降の反原発運動で広く歌われている「平和に生きる権利」という歌はビクトル・ハラの原曲に基づいているという。ユーチューブにアップされている一部。
http://www.youtube.com/watch?v=3EBgraIjpZM

|
|

« テッドきたる | トップページ | 約束と信義-直木賞作家 北原亞以子さんを悼む »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87302/56926685

この記事へのトラックバック一覧です: 八木啓代著「禁じられた歌」を読む:

« テッドきたる | トップページ | 約束と信義-直木賞作家 北原亞以子さんを悼む »