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2013/02/23

第148回芥川賞直木賞の授賞式 雑報

第148回芥川賞直木賞の贈呈式が2月22日、東京・丸の内にある東京會舘で開かれた。
今回の受賞者は芥川賞が「abさんご」の黒田夏子さん(75)、直木賞が「何者」の朝井リョウさん(23)、「等伯」の安部龍太郎さん(57)-の3人。

20130222

さて、現地に入った取材班(東京・小娘さん)から現場ルポが入った。スピーチがとてもおもしろいので、転載しておこう。以下、ルポ。

■芥川賞選考委員・島田雅彦氏のあいさつ
「黒田さんは受賞以来、年齢のことばかり取り沙汰されていくらお年を召されているといっても、傷ついていると思います(笑)。女子の本質は少女ですから。・・・まあ、ウチの母と同い年なんですが(笑)

芥川賞などとると追随者が出てくるものですが、黒田さんの場合はなかなか真似しづらいと思いますね。
私もこの「夏子ソフト」を使ってラブレターでも書けば効果は絶大と思われますがまだ試していません。
黒田さんの「失われた時を求めて」が完成することを祈っております。」

■直木賞選考委員・渡辺淳一氏のあいさつ
「『何者』は一読して惹かれました。ユニークでシニカルですね。現代の就職活動の最前線に一石を投じる作品で非常におもしろかった。

まっとうな、『等伯』との2作受賞というのはバランスもとれていてよかった。

『等伯』は新聞小説なんですね。新聞小説というのは乱れるものですが…(笑)

朝井さんはまだ23歳だそうで。このあとどう生きていくのかなー。直木賞受賞者もね、かなりの人が消えていってるんですよ。編集者も最初はやさしいけどね、あっという間に周りからいなくなりますからね。

生き残るには、ギラギラしてないといけない。品良く落ち着いてたら、消えます。消えていったのは知的で上品な人ばかり。

作家はね、我欲を持ってやって欲しいね。金が欲しいとか女にモテたいとか家を建てたいとかね。なにしろ作「家」っていうぐらいだから。品良く生きるほうが楽なんですよ。でも、どの世界でもスターはギラギラしているよ。

(このあと水上勉とか大御所のエピソードを語る…。)

松本清張さんも金で寝る女しか書かなかったネー。何の話かわからなくなっちゃったけど(会場・笑)
欲望ってのが作家の原点ですから。魅力ある、チャーミングな作家になってください。」

■朝井リョウさんあいさつ
「この数分間は、ちょっと上品でいさせていただきたいと思います(笑)
渡辺先生から「作『家』は…」というお話をいただきまして、僕は「家」を居場所、と置き換えて考えさせていただきたいと思います。私は文章を書くことで居場所を見つけました。

今後は「最年少」などの冠がとれても居場所があるように頑張りたいと思います……というような言葉の裏で、人間の生きることの複雑さ、世界をあばいていきたいと思います。」

■安部龍太郎さんあいさつ
「私も朝井さんといっしょで『ギラギラしていないといけない』という言葉をいただきました。
ギラギラするものを持ち続けたいと思います。

今日は家内も来ているので、渡辺先生の言葉をきいてこれからは大目に見てもらえるのではないかと…(笑)。『等伯』を書くことで自分の力量も上げてもらったような気がしています。」

■関係者の人のあいさつ
「もう時効だと思いますので30数年前の話をさせていただきたいと思います。
選考過程で2作が残り、甲乙つけがたい、という状況になったとき、ウチの幹部が…ですね、恐る恐る
『どうでしょうか、2作とも、ということでは……』と言ったそうなんですね。
そしたら(選考委員が)激怒されまして。『主催者がそんなこと言うなら今回は無し』と。
候補の方にも非常に申し訳ないことになってしまいました。

ですから選考には主催者の思惑は…、え~…、思惑は無いことは無いんですけれども(笑)それはそれとしてですね、絡んでおりません。」

黒田さんに関しては、詳しいリポートが入っていない。いろいろなメディアの話を総合しておく。
■黒田夏子さんあいさつ
「今まで長い間、なかなかうまくことが運ばなかったため、何をしているかよくわからない老人と思われていた。(今回の受賞で)居心地の悪さが、ようやく解消された。このきっかけを無駄にせず、今までどおりの歩き続けたいと思います」

などなど。

黒田さんの史上最高齢やら、朝井さんの男性最年少やらの話題もあり、とにかく大盛況で、にぎやかな贈呈式であったようだ。

一方、私のところには九州・福岡は太宰府で文学活動をされている大先輩から安部さんについて「五木寛之、杉本章子に次いで、福岡南部の八女市(黒木瞳さんの故郷ですね)からは3人目の直木賞受賞ですよ」という誇らしげな手紙も届いており、まずはめでたい。

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