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2012/10/26

孫崎享著「戦後史の正体」を読む

孫崎享著「戦後史の正体」(創元社、本体価格1500円)を読む。元外務省国際情報局長にして、防衛大学校教授を務めた国際問題のプロによる大変な戦後日本論である。

Senngosi

基本的な視点はアメリカとの距離感を物差しに「自主」か「対米追随」か、の2点である。

歴代首相を分類すれば、自主派は重光葵、石橋湛山、芦田均、岸信介、鳩山一郎、佐藤栄作、田中角栄、福田赳夫、宮沢喜一、細川護煕、鳩山由紀夫。対米追随派は吉田茂、池田勇人、三木武夫、中曽根康弘、小泉純一郎、海部俊樹、小渕敬三、森喜朗、安倍晋三、麻生太郎、菅直人、野田佳彦。一部抵抗派は鈴木善幸、竹下登、橋本龍太郎、福田康夫。そのようになるのだそうだ。このうち、自主派と称される人たちの中にも全体的には相当の対米追随派がいるのは本文を読めばわかる。要するに、日本の首相は基本的には対米追随(それを映す鏡として、中国との距離の取り方がある)なのだ。一方、首相ではないが、自主派の政治家としては小沢一郎もいるわけだ。

そんなわけで、この本は有名新聞が書評を訂正する騒ぎになるなど、波瀾万丈の内容である。日本周辺の領土問題がなぜこじれるのか、その理由も明快に書いてある。

ここでは、もろもろの事情もあり、賛否には言及しない。強いていえば、提示された基本的な視点では見誤ることもあるだろうということだ。だが、とにかく、おもしろいので、読んでみることをオススメする。

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