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2012/04/13

西村健「残火」を読む

西村健の「地の底のヤマ」が面白かったことで、それならばもう一作と「残火」(講談社、本体価格1700円)を読んだ。

こちらは濃~い元ヤクザ、元警官たちによる男たちの挽歌である。

Nokoribi

国会議員会館の代議士事務所から1億円が強奪される。犯人は殺気のオーラをはらんだ年配の男1人。その行方と真相を追って、今は代議士の利権グループ配下である元子分、警官を退任して警備の仕事をしている腕こきの男、そして凛とした色香を漂わせる姐さん…個性的な男たちの「生き様」が刻まれていく。一度は堅気の豆腐屋になって稼業を離れた男が、なぜ命を燃やして最後の戦いに立ち上がったのか。その真相が次第に明らかになる。1億円強奪した男は追っ手をかわしながら、北へ北へと、時間をたどる旅を続けていく。

主人公の名は花田秀次。人呼んで「人斬り秀」と恐れられた伝説の極道。妻の名は竜子……。ここまで聞くと、誰もが思い浮かべるのは、「昭和残侠伝」の花田秀次郞、「緋牡丹博徒」の矢野竜子。すなわち、高倉健さんと藤純子さんということだろう。物語はそんな2人を思い浮かべて、読んでいくことになる。脇役のネズミは山城新伍か梅宮辰夫、悪役親分は金子信雄か島田正吾、舎弟役には江原真二郎か待田京介。そんなこんなで楽しめる。

残侠伝だけに、活劇シーンも満載だ。時々、「唐獅子牡丹」が聞こえたら大成功だ。もっとも、あの重厚な「地の底のヤマ」を読んだ後では、いささか軽く感じられるのはやむを得ないか。

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