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2012/03/05

中島信文「龍馬暗殺の黒幕は歴史から消されていた」を読む

中島信文著「龍馬暗殺の黒幕は歴史から消されていた 幕末京都の五十日」(彩流社。本体価格1800円)を読む。

Ryouma


「寺村左膳道成日記」の読み直しを通じて、龍馬暗殺の真相に迫る。龍馬という二度と出ない革命家を意味もなく暗殺してしまった反動逆流の原因は「情報の収集と伝達」という時代的制約の罠や陥穽が潜んでいたため-ということのようである。寺村左膳とは土佐藩の山内容堂の側用人で大政奉還の建白書に草稿を執筆した人物であるが、佐幕派として龍馬や中岡慎太郎らを排除すべく考えていたという。

土佐藩と会津藩の混乱、京都見廻り組。真相が明らかにならなかったのは、結論から言えば、薩長権力樹立に伴う土佐藩の関係者による組織的隠蔽ということか。

幕末ものには詳しくないが、なるほどなあ、という権力抗争のダイナミズムが伝わってきた。幕末ファンにはとても楽しめる読み物だろう。惜しむらくは文章が少し整理しきれていないため、煩瑣な部分があることか。

著者は1947年群馬県生まれ。東北大卒。企業人として2004年まで勤めていたが、その後、歴史や近代文学史などに関わっているとのこと。

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