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2012/03/08

大塚英志・吉本隆明「だいたいで、いいじゃない。」を読む

大塚英志・吉本隆明著「だいたいで、いいじゃない。」(文春文庫、本体571円)を読む。

高度消費社会を迎えサブカルチャーが主流となった文化状況に対して、それらの事象をどう考えるかという白熱/ゆるい対談集。

Daitai


テーマとして「新世紀エヴァンゲリオン」「江藤淳とフォニーと天皇」「個の極北」「オウム真理教論」などがゆるゆると取り上げられている。

エヴァ論は吉本、大塚とも戦争の受け止め方・描き方について違和を示しつつ、それでも予定調和を破る庵野秀明の「純文学性」のようなものを宮崎勤の内面に肉薄しつつ描き出していてのが面白い。江藤淳についてはその肩肘張った姿が痛々しかったのだが、江藤がサブカルチャー文学の跳梁-堀辰雄から村上龍や村上春樹-の批判を通じて示したかった場所とパラドックスが見事に捉えられていた。麻原彰晃やオウムのサブカル性について明らかにしつつ、人間の内面とはなにかを考えようとしているのも面白かった。

オタクの大塚がきっちりと詰めてくるのに対して、フランス哲学者の0.01じゃなくて0.1のほうがわかることもあるという吉本のだいたい主義が本書の基調か。

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