« 第33回吉川英治文学新人賞は3月5日発表、桜木紫乃さんが候補に | トップページ | 解体される建物 »

2012/03/02

福井紳一著「戦後史をよみなおす」を読む

福井紳一著「戦後史をよみなおす」(講談社、本体価格1500円)を読む。

サブタイトルに「駿台予備学校『戦後日本史』講義録」とあり、帯には「すべての答えは、戦後66年の歴史のなかにある-東大・早慶大を目指す受験生10万人に圧倒的な支持を受けた伝説の白熱教室」と書かれている。

Sengosi_2

著者の福井さんは1956年生まれ、慶応大学文学部を出て明大大学院を経て、現在、駿台の講師として活躍中だ。著書に「満鉄調査部事件の真相」(小学館、共著)、「論戦『満洲国』・満鉄調査部事件」(彩流社、共著)などがある。

なんどか会合で会ったことがあり、日本現代史なかんずく戦後史に詳しく、かつ熱く語ってきかせてくれ、教えられるところが多かった。

本書では「なぜ、戦後史を学ぶのか」「占領された日本」(「占領と戦後改革」「敗戦後の日本経済と社会」「占領政策の転換」「朝鮮戦争と講話」)「占領集結後の日本」(「冷戦体制と主権回復後の日本」「日米新安保体制」「ベトナム戦争と70年安保闘争」「高度成長経済と『経済大国』」)「現代の世界と日本」(「高度経済成長の終焉と日本の政治・経済」「ポスト冷戦と55年体制の崩壊」)といった部章立てがされており、占領時代の政策の特質、70年、72年をメルクマールとした日本社会の転換などを「全共闘」後世代として体感的につかみだしているのが特色だ。

極東裁判の茶番を目の当たりにした「騙されるということ自体がすでに一つの悪である」という伊丹万作の言葉が紹介されており、今般の福島原発事故についても同じことが言えるのだということがわかる。人間は過去から学んでいるようで、学んでいないのだ。

「『むすび』にかえて 9.11以降の世界と3.11以降の日本」では「なぜ人を殺してはいけないのか」という原点を鋭く問うているのも印象的だ。


|
|

« 第33回吉川英治文学新人賞は3月5日発表、桜木紫乃さんが候補に | トップページ | 解体される建物 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87302/54120461

この記事へのトラックバック一覧です: 福井紳一著「戦後史をよみなおす」を読む:

« 第33回吉川英治文学新人賞は3月5日発表、桜木紫乃さんが候補に | トップページ | 解体される建物 »