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2012/03/07

「北の文学 2011」を読む

「北の文学 2011」(北海道新聞社、本体価格1200円)を読む。

北海道新聞文学賞、短歌賞、俳句賞を記念した作品集だ。本号には第26回俳句賞の深谷雄大さんの句集「六合」抄、同俳句賞の柳澤美晴さんの歌集「一匙の海」抄、同同佳作の大朝暁子さんの「木根跡」抄、第45回文学賞・詩部門の林美(月+永)子=みおこ=さんの詩集「宙音」抄、そして第45回文学賞・創作・評論部門佳作の河崎秋子さんの小説「北夷風人」が掲載されている。

Kitano

深谷さんは「雪の雄大」と知られる北海道北部の自然をうたって定評のある俳人であり、旭川時代からずいぶんお世話になっている。柳澤さんは「つきさっぷ」で第24回短歌賞佳作の樋口智子さんのご縁で評論文を読ませてもらったりしている。それから、大朝さんは私の大学(といってもほとんど通って授業を受けていないのであるが)時代の国文科の先生の奥様だと知った。林さんはお名前しか知らなかったが、今回の作品を見て、スケールが違う詩人だとわかった。

河崎さんは2010年に「熊爪譚」という作品で北海道新聞文学賞の候補作になっており、連続して素晴らしい作品を書いたことがわかる。「北夷(ほくい)」と「風人(かぜびと)」の物語と言っても何もわからないだろうが、謎の異族たちのところに神隠しにあった青年がカゼビトとなって、その血脈をつなぐ役目を果たすお話だ。いささか荒唐無稽であるが、ストーリー性の面白さ、そして作者の「語り部」的な才能を感じさせてくる。

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