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2011/04/04

大澤信亮著「神的批評」(新潮社、2100円)を読む

自己を問うその先にある、批評の神髄へ――。決定的デビュー作、刊行。

絶対平和の詩人に孕まれていた暴力性はいかにして非暴力の地平へと至ったのか、その自己破壊的倫理に迫る新潮新人賞受賞作「宮澤賢治の暴力」。美の怪物と対峙することで、「食」という人間の存在条件を問う「批評と殺生――北大路魯山人」。全四篇を収録する、私たち自身の可能性としての思考。21世紀の批評はここに誕生する。

大澤信亮(オオサワ・ノブアキ) 1976年東京都生れ。文芸批評家。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2007年「宮澤賢治の暴力」で第39回新潮新人賞〈評論部門〉受賞。『神的批評』は初の単著である。(以上、新潮社HPより)

Sinteki

宮澤賢治、柄谷行人、柳田國男、北大路魯山人についての評論が収載されている。文学小僧的には賢治論と柄谷論あたりが読みやすいかもしれない。特に、賢治が国柱会に入り、法華教の信奉者として国粋的-暴力的指向になりながら、それに対する転回をいかに果たしたのかをスリリングに問い詰めていく。また、柄谷論は「マルクス」をめぐる柄谷の思索を中心に彼の多くの問題提起が果たして現代の課題を射貫いているのか、柄谷系統の批評家には支持されないではあろうが、明快かつポレミークに展開している。

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