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2011/04/10

百聞は一見にしかず

いろいろ問題があることはわかっている。

それでも、99の誤りがあろうとも、1つの真実は否定できない、と言うではないか。すなわち、百聞は一見にしかず。そんな魂の叫びが聞こえるのが「副島隆彦(そえじまたかひこ)の学問道場」というブログの記事である。

だれも入っていない人類史上最悪の放射能汚染事故に迫りつつある福島原子力発電所の特攻ルポルタージュ。「そりゃあ、まずい」ということはものすごくいっぱいあるが、それでも、ここには1つの汚れのない魂と真実があると、震撼させられるのだ。

「副島隆彦(そえじまたかひこ)の学問道場 今日のぼやき 広報ページ」2011.4.11
http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1492

・福島第一原発敷地の北、約2キロ地点から(1)。撮影時刻:2011/3/29,14:11。
http://snsi-j.jp/picture/img-box/img20110402220809.jpg


・福島第一原発、正門前。(1)
http://snsi-j.jp/picture/img-box/img20110401183221.jpg


「私は、この駅(=富岡駅)のそばの瓦礫の脇にいた、一匹の猫に餌をやって、もう一匹いたのだが、こっちは、近寄って来なかったので、餌だけおいて、そして、一匹の方だけを、連れてきた。今、私のPCの前で、邪魔をしながら、寝込んでいる。メス猫で、雉(きじ)と三毛(みけ)の雑種で、1歳ぐらいだろう。きっと飼い主は死んだだろう。私は、タマと名前を付けた。以後、この「富岡タマ」は、私が死ぬまで一緒に暮らすだろう。」

・富岡タマ。
http://snsi-j.jp/picture/img-box/img20110401195359.jpg

次のようなアジテーションがある。どう読むべきだろうか。

「頭がいいふりをして、いつまでも、なんがだ知らないが、遠くから、「まだ、安全ではない。体内被曝の怖さを知らないのだ。安全だと言っている人間たちは、責任を取れ」と言っている、人たちよ。自分の目と体で、現地を見に来なさい。それから、何か、専門家ぶった偉そうなことを言いなさい。」

「東京からさえ、関西に 逃げいている、大金持ちたちよ。もう大丈夫だから、帰って来なさい。皆さんが、臆病者だということはよく分かっています。赤坂や松濤(しょうとう)や田園調布の超高級の住宅街は、まだ、人影が無くてガランとしているそうだ。大金持ちたちも、戻って来なさい。私、副島隆彦が、大丈夫、というのだから、大丈夫です。」

ひりひりと間違いなく私の心を刺すものがある。私は賛同はできないが、批判もできない。そういう人間存在の全体重をかけた迫心の訴えはただ聞く以外にないのだと思う。他者批判の自制と行動実践の全共闘的原則が貫かれるべき事象であるからだ。

なんとも不思議な思いをさせられる文章群である。そして、衝撃の写真集!

たぶん、このルポは放射能汚染の影響の続く100年先まで、ある視点による記録として残ることだろう。読むべし。

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