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2011/04/20

「月鞠(げっきゅう)」第10号を読む

東京・三鷹にお住まいの歌人、辰巳泰子さんから届いた「月鞠」第10号(2011年4月10日発行、1000円)を読む。

辰巳泰子さんについては、公式ホームページ「眠れない夜を越えて」http://www.geocities.jp/tatumilive/index.html
をご覧頂けばわけるが、略歴に

辰巳泰子(タツミ ヤスコ) 歌人。1966年大阪府生まれ。1990年、第一歌集『紅い花』 (砂子屋書房)で、歌壇の芥川賞といわれる現代歌人協会賞(第34回)を最年少受賞。その作品は高校教科書の継続教材ともなる。現代歌人協会会員、日本文藝家協会会員。短歌結社誌「月鞠」主宰。

とあるように、ある種のオーラをお持ちの歌人である。

Gekkyu

「月鞠」は年2回の発行で、第10号には佐藤元紀、窪田政男、真狩浪子、根本洋輝、西村修平、辰巳千枝子の各氏が原稿を寄せているが、中心はもちろん辰巳泰子主宰で小説「トムの日記」と短歌百首を寄せている。

真狩浪子さんは函館在住だそうで、「退屈で死んだやうなる春でしたはつなつ不意に電話鳴るまで」「ままごとの季節ひときは早く過ぎ真綿の締まる長き倦怠」「ただひとりのための歌です読まないと言ひ放ちたるひとりのための」など10首だが印象深い。

辰巳泰子さんの「近江行」百首から幾つかを引用する。

潮鳴りを怖れ少女は鎖しゐき携帯電話スコールのやう
それを言はなければいいのに言つてしまつてやはりさうきたかとなつちまふ僕
でもね、でもね、逆接の枕木なほ敷かれ一刻の嵐すぎるまで待つ
ことだまの拠り代として朝の日を浴びて尖れり携帯電話
その一花(いちげ)散らさず在れる形いづれ想ひ見よしんしん織り重ねよ
たくさんの葉書をくれて逝きにしよ万年筆の読めない文字
近寄せてさざ波立てりいつかは君と男なぎ女なぎのみづあかり見ん

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