« 猪瀬直樹著「突破する力 希望は、つくるものである」(青春出版社、800円) | トップページ | 吉本隆明著「老いの幸福論」(青春出版社、840円)を読む »

2011/04/16

「黄金の都 シカン展」を見る

インカ帝国のルーツ、「黄金の都 シカン展」を札幌市中央区の道立近代美術館で見る。

シカンは南米ペルーの古代文化の1つである。北海岸・パンタグランテで考古学者の島田泉さん(南イリノイ大学教授)が1978年から調査を続けており、1991年からのロロ神殿の墳墓発掘が新たな地平を拓いている。そこにはインカとは別の文化が展開されていたのだ。シカンとは先住民の言葉で「月の神殿」の意味だそうで、その社会は9世紀から14世紀まで続いたと言うことで、日本に置き換えれば平安から鎌倉、室町時代に当たる。

Sikan_2


ロロ神殿の墳墓からは多数の黄金製品と墓の主たちの遺体が発掘されており、その展示ではその成果が並べられている。目を引くのは「シカン黄金製大仮面」「黄金の儀式用トゥミ(トゥミとは儀式用のナイフ)」や「ケロ」というコップのようなものなどで、いずれにしろ金製品の加工技術の高さがわかる。その他の金属加工品や装飾品もとても素晴らしい。

シカンの神はアーモンド・アイというつり上がった目が特徴だそうであるが、アジア密教系のある種の迫力に富んだ怒髪顔に比べると、妙な愛嬌があるように見えたのは気のせいか。

ペルーには先住民の多様な文化が花開いている。神殿の遺跡から発掘された多数の副葬品を見ていると、現代社会のある種の貧困を痛感してしまう。そして、埋葬された人々の表情(と言っても骸骨なのであるが)を見ていると、高度の文明社会といわれる現代に生きる人間よりも、穏やかに見えて、生きることの意味というよりその死生観を含め、私たちはとんでもない袋小路に紛れ込んでいると痛感させられるのであった。

Sikan_3

初日ということで、大混雑を予想していたが、意外に空いている。やはり震災の影響による自粛であろうか。

「黄金の都 シカン展」開催は4月16日から5月22日まで(毎週月曜日は休刊日)。開館時間は午前9時から午後5時まで。入場料は大人1200円。高校・大学生900円。小中学生500円。

|
|

« 猪瀬直樹著「突破する力 希望は、つくるものである」(青春出版社、800円) | トップページ | 吉本隆明著「老いの幸福論」(青春出版社、840円)を読む »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87302/51401933

この記事へのトラックバック一覧です: 「黄金の都 シカン展」を見る:

« 猪瀬直樹著「突破する力 希望は、つくるものである」(青春出版社、800円) | トップページ | 吉本隆明著「老いの幸福論」(青春出版社、840円)を読む »