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2011/04/14

梅原猛著「学ぶよろこび―創造と発見―」(朝日出版社、1,449円)

学問のおもしろさと創造の夢を語る待望のエッセイ集。

学ぶことのおもしろさと夢を実現する生き方、波乱万丈の半生、これから仕上げに入る壮大な夢の作品についてなど、梅原猛の創造の秘密をあますところなく語った知的人生論。
こころの傷は夢を実現する原動力になる!...
学ぶことのおもしろさと夢を実現する生き方、波乱万丈の半生、これから仕上げに入る壮大な夢の作品についてなど、梅原猛の創造の秘密をあますところなく語った知的人生論。
こころの傷は夢を実現する原動力になる! 法然からトヨタ創業者まで、各界の成功者の苦楽の道に自身の人生を重ねながら、学ぶよろこび―創造と発見の道を歩む生き方を提示する。向学心に燃える哲学者が教える、厳しい時代を生き抜くヒント。装幀・安野光雅。

梅原猛(うめはら・たけし) 哲学者。大正14年(1925年)、宮城県に生まれる。生まれてすぐに愛知県知多半島の内海の名士で、梅原一族の頭領である伯父夫婦の養子となり、京都大学入学まで海と山に囲まれて過ごす。哲学から仏教の研究に入り、その間に『隠された十字架』(1972年/毎日出版文化賞)、『水底の歌』(1973年/大佛次郎賞)を発表。その後、縄文・アイヌを研究。「梅原日本学」を確立。著作の多くは「梅原猛著作集」一期・二期各二十巻に収められる。現在、「梅原学」確立のため、中世の文学・芸能としての「能」の研究に入る。また劇作家としてスーパー歌舞伎、『ヤマトタケル』(1986年/大谷竹次郎賞)・『小栗判官』(1991年)・『オオクニヌシ』(1997年)を、狂言『ムツゴロウ』(2000年)、能『河勝』(2008年)等を発表。1992年、文化功労賞、1999年、文化勲章を受章。国際日本文化研究センター初代所長。近著に『うつぼ舟3 世阿弥の神秘』など。
(以上、朝日出版社HPより)

Umehara

さすがに梅原猛はすごい。

本書には3つの講演が収載されているが、とりわけ「創造への道」が素晴らしい。ニーチェの言葉を踏まえて、人間には「ラクダの時代」(忍耐期)「ライオンの時代」(勇気と闘争期)「小児の時代」(創造期)があることを述べ、自らの人生に重ねていく。そして、西田哲学の超克、ニヒリズム=死への誘惑から、生の哲学への転回、笑いの研究、日本文学・思想への独自の展開という歩みが生き生きと語られている。万葉集から古今和歌集の再発見、鎌倉仏教の根底にある密教への肉薄などもあらためて面白い。

最後に「老木(おいき)に花」の書き下ろしがあり、そこで、「85歳まで生かしてもらった私は今、新しい哲学を創造しようと思っている」と力強い決意表明がなされ、「完全な『柿本人麻呂論』を書かねばならない」「アイヌ文化と日本文化との関係を人類学的・民俗学的・言語学的に明らかにしなくてはならない」と述べ、「百歳を超えてからの仕事であろう」と言う。さらには、能-世阿弥論、親鸞論などにも言及しており、圧倒されるばかりである。

こうした梅原日本学についてご本人による完成はもちろんであるが、これらの課題は後世代に残されているのだなあ、と思わされることであった。

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