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2011/03/23

竹田青嗣著「現象学入門」(NHK出版、本体価格920円)を読む

現象学は難しいという誤解を除き、“世界の意味”を問うフッサールの考え方の芯を、平明な言葉で説き直す。現象学がわかれば、デカルト以来、哲学・現代思想が何を問題にしてきたかも見えてくる。用語集も併載。 (NHK出版
hpより)

竹田青嗣著「現象学入門」(NHK出版、本体価格920円)を読む

少し前に、精神分析と言うよりフロイト入門書を何冊か読んだのが、そのときに同じ著者ということでついでに買ってしまったのが本書である。竹田青嗣さんは現代思想家であり、存在の「ずれ」のようなものをしっかりと分析してきた人ではないかと思う。

本書はフッサール−ハイデガーの考察を主軸に、サルトルやメルロ=ポンティなど周辺の思想家にも幅広く目配りしている。

だが、やさしく書いていても難しい。つまり現象学の「主観と客観」「現象学的還元」「知覚直観」「本質直観」「純粋意識」「超越論的主観」「間主観」など用語が厳密でようで極めて方法的仮説のようで、すっきりと落ちきれない。逆に言うと大衆化しないのは現象学の限界を示しているのではないか。

そして、何度読んでも、結局は主観主義の哲学だなあ、ということである。日常の世界やある状況を微分的に捉えかえすには役に立つ方法論のようには思えた。いずれにしろ、ハイデガーのような大家の哲学を読み解いていないので短絡的な感想でしかないが、現象学の認識論が唯物論的反映論に対する批判なのだろうが、やはり非常に手間暇がかかる観念論のように思えたのである。かなり昔に書かれた啓蒙書ではあるが、主体的マルクス主義者の一人である三浦つとむの「弁証法はどういう科学か」の認識論のほうが思弁家よりもはるかに深いように思われたことである。

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