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2011/01/30

シチリア!シチリア!

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。エンリコ・ルチディ撮影。エンニオ・モリコーネ音楽。フランチェスコ・シャンナ。マルガレット・マデ。ニコール・グリマウド。

「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督による人生賛歌。30年代から80年代までのシチリアを舞台に、少年から大人へと成長していく主人公の視点を通して、家族の愛や絆を見つめる。監督自身の半生を投影させた温もりあふれる物語に、名匠エンニオ・モリコーネのドラマチックな音楽が彩りを添えている。
(Movie Walkerより)

シチリア!シチリア!


「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作ということでなんとしても見なきゃあね。「シチリア!シチリア!」という邦題だけど、その島にある「バーリア」という監督の故郷が舞台である。

映画はイタリアの近現代史をペッピーノという牛飼いの息子の生涯(半生)に重ねて描いている。ムッソリーニのファシスト党が跋扈し、マフィアがその手先のとなって横暴を重ね、大地主と小作の階級対立が激化している貧しいシチリア。

ペッピーノは正義感が強くイタリア共産党に入り、家庭を顧みず活動に没頭する。紆余曲折があるが、彼を愛していたのは妻マンニーナと子どもたち、そして故郷であった。

イタリアにおける共産党の果たした役割=立ち位置がこの映画ではよくわかる。特に反ファッショの勢力としての信頼の厚さである。インターナショナルも楽しくラテンのノリで流れるのも地中海的である。

戦中戦後にスターリン崇拝が色濃く現れているのも時代的である。もちろん、ソ連に行ってからスターリニズムに懐疑的になる表情が出たり、極左や毛沢東派などから改良主義者的限界を批判される場面もある。とはいえ、日本のようにスターリン批判がラディカルに提起され実践された国とは異なる反ファ共産党の根強さも分かる。牛飼いの父親が亡くなる直前に「政治はいい」と語り、息子が議員となることを望んでいる姿も印象的であった。

シチリア!シチリア!

映画的にはシチリアの運命という大きな物語が土台にあるため、その上でもがいて生きるペッピーノと家族の物語がいささかコンパクトに描かれていて、深く思い入れをするふうにはならなかった。強いて言えばエピソードが多すぎて、その分、表層的になったということだ。主人公も立派な人間ではあるとは思うが、「いやあ、大変だったねえ」というふうには思えなかったのである。全編が叙事的かつ過剰に叙情的すぎるのである。とはいえ、それがジュゼッペ・トルナトーレらしいと思えることであった。

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