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2011/01/06

石川啄木「悲しき玩具」新春の歌を拾う

朝寝して新聞読む間なかりしを
負債のごとく
今日も感ずる


何となく、
今年はよい事あるごとし。
元日の朝、晴れて風無し。


いつの年も
似たよな歌を二つ三つ
年賀の文に書いてよこす友。


正月の四日になりて
あの人の
年に一度の葉書も来にけり。


人がみな
同じ方角向いて行く。
それを横より見てゐる心。


過ぎゆける一年のつかれ出しものか、
元日といふに
うとうと眠し。


いつしかに正月も過ぎて、
わが生活が
またもとの道にはまり来れり。


おれが若しこの新聞の主筆ならば、
やらむ−−と思ひし
いろいろの事!


目さまして直ぐの心よ!
年よりの家出の記事にも
涙出でたり。

     −−石川啄木

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