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2010/09/22

サン=テグジュペリ著、堀口大學訳「人間の土地」(新潮文庫、580円)を読む

“我慢しろ……ぼくらが駆けつけてやる!……ぼくらのほうから駆けつけてやる! ぼくらこそは救援隊だ!”サハラ砂漠の真っ只中に不時着遭難し、渇きと疲労に打克って、三日後奇蹟的な生還を遂げたサン=テグジュペリの勇気の源泉とは……。職業飛行家としての劇的な体験をふまえながら、人間本然の姿を星々や地球のあいだに探し、現代人に生活と行動の指針を与える世紀の名著。(新潮文庫オビより)

Ningenno

サン=テグジュペリを読み直している。すごい。「星の王子さま」はどんどん深くなっているが、その前奏曲ともいうものがこの「人間の土地」なのだ。飛翔する精神、屹立する精神とは何なのか。一人の飛行士の体験を通じて、ファンタスティックでいて、リアルで、そして哲学的に描き出している。飛翔する精神論といえば「かもめのジョナサン」もそうであるが、ちょっと違いすぎる。

砂漠で遭難した主人公は助けてくれた遊牧民を思いながらつぶやく。「ぼくの目に、きみは気高さと親切さに満ちあふれて映る、水を与える力をもった王者よ、あらゆるぼくの友が、あらゆるぼくの敵が、きみを通ってぼくの方へ向ってくる、ためにぼくには、もはや一人の敵もこの世界には存在しなくなる」

本書は1939年に書かれた。その人間のスケールの大きさに驚く。堀口大學の名訳に、ジブリの宮崎駿が解説を添えている。

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