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2010/09/28

蛭田亜紗子著「自縄自縛の私」(新潮社、本体価格1400円)を読む

第7回「女による女のためのR−18文学賞」大賞を受賞した蛭田亜紗子さんの受賞作などをまとめた初の単行本である。

蛭田亜紗子著「自縄自縛の私」


オビには唯川恵さんやら山本文緒さんやら角田光代さんやらが称賛の言葉を並べており、「震えるそのたましいは、とくべつなだれかじゃない、私だし、あなただ」(角田光代)なんて読まされると、どきりとさせられることだ。

収録されているのは「自縄自縛の私」をはじめ「祈りは冷蔵庫へ」「ラバーズ・ラヴァー」「明日の私は私に背く」「ごみの、蜜の」5編である。いずれも、性的には少し変わった性癖のある女性たちが主人公である。

たとえば、自分を縛ることがくせになってしまったりするのだが、それは一種の自傷行為にも似ているし、あるいは、自己確認の行為のようにも見える。ザーメンハンターやらあれやこれやを読むと、女性の作家がこれらの物語を紡ぎだす時代的なものに感慨を覚えずにはいられないことである。そして、物語は円環して、日常につながるところが少し怖い。

蛭田亜紗子さんは札幌市在住。2度ほどお会いしたが、スレンダーな感じの美人である。今後の活躍が楽しみである。

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