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2010/09/22

「高校生はこれを読め!」編集委員会編「高校生はこれを読め!」(北海道新聞社、本体価格1200円)を読む

9月25日発行ということであるが、早めに入手できたので、速攻で読む。

全部で541作品がリストアップされているが、図書館司書、書店員など本読みの達人97人が172冊についてそれぞれ「読みどころ」を紹介している。扉の次には、「高山美香の文人数珠つなぎ」という楽しい絵文のページもある。

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そして、朝倉かすみ、乾ルカ、まさきとしか、文月悠光という道産子作家・詩人らの寄稿、さらに小路幸也さんインタビューも掲載されていて、にぎやかである。文月悠光さんは「『とげ抜き』のススメ」と題して2冊の本を推薦する文章を書いているが、着地も決まって、さすがの印象である。まさきとしかさんとは少し年が離れているが、ほぼ私と似た感じで、私もまた、ちゃんとした人生を歩めていたはずだと思わされたことだ。

閑話休題。若いころ、こんなふうなガイドがあれば、もう少し効率的に本を読めていただろうと思わされるわけだ、おじさんとしては。たぶん541作品はおろか、紹介されている172冊の半分も読んでいないので、いささか説得力に欠けるが、本の世界は広く、本を読むことは楽しいことであると、あらためて思った。また、わかい本読みの人たちが、比較的若い作家の作品も好きなのだということも、わかった。

とにかく本を読みたいけれど、何を読もうかしら、と迷ったら、この「高校生はこれを読め!」を手に取るのが一番いいと思う。

私的には吉本ばななはあれど吉本隆明はなし、デカルトはあれどキルケゴールやマルクスはなし、というあたりが残念なことである。「言語にとって美とはなにか」「死に至る病」「経済学・哲学草稿」あたりは高校生にぜひ読んでもらいたい。人間が言葉を発し文学するというのはどういうことななのか、人間が本当に死んでいるとはどういうことなのか(絶望!)、人間の人間に対する関係がなぜ苦悩を生み、情熱を生むのか。そんなことを教えてくれる本も読みたいことだ。

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