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2010/09/07

久間十義著「刑事たちの聖戦」(角川書店、本体価格1600円)を読む

旧大蔵省次官の経験者が同日のうちに二人殺害された。七年前に起きた明和銀行不正融資事件と関連があるのか?捜査線には、七年前、闇組織に消された松浦洋右警部補の息子・亮右が浮かび上がった。超弩級の警察小説。(角川書店hpより)

Keijitatino

久間さんの警察小説シリーズだ。

先般の元厚労省高官連続殺傷事件をイメージさせる連続テロと、政権交代によって蠢く警察権力の暗闘を絡ませた内容になっている。そうしたバックグラウンドを思い浮かべながら、一方で権力内部の延命をかけた代理戦争モードの中で組織の隙間を抜け出そうとする諸個人の悪戦をたどっていくリアリティを楽しむことになる。キャラクターはそれぞれに、ある種の典型が描かれているので、それぞれの立場に感情を移入して読むのもおもしろい。

読みやすさで言えば、いささか硬質の文体はところどころでフリクションを起こす。それがこの小説を楽しめるかどうかの分かれ目かもしれない。手頃な分量で、一気に読み通すことができると気持ちがいい。真実は報道されないというのはいささか耳痛い結末であるが。

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