« リチャード・バック著、五木寛之訳「かもめのジョナサン」(新潮社)を読む | トップページ | 「高校生はこれを読め!」編集委員会編「高校生はこれを読め!」(北海道新聞社、本体価格1200円)を読む »

2010/09/21

サン=テグジュペリ作、内藤濯訳「星の王子さま」(岩波書店、本体価格1000円)を読む

サン=テグジュペリ作、内藤濯訳「星の王子さま」(岩波書店、本体価格1000円)を読む。

Photo


この本を読むのは何度目だったろうか。今回、気づいたことはこの作品の持つある種の同時代へのメッセージ性である。

5章で、王子とぼくは出会って3日目に「おそろしいバオバブ」の話をする。バオバブの小さなのはバラの木にそっくりなので見分けがつかない。放っておくと大変なことになる。

そのことをフランスの子どもたちが頭に入れておくように立派な絵を描くように王子はぼくに勧める。なまけものが住んでいた星ではバオバブの木を3本放っていたために、大変なことになったことも話す。絵を描いたぼくもそれで言ってしまう。「おーい、みんな、バオバブに気をつけるんだぞ!>

この部分はとても変だ。性急すぎる。時代は第2次世界大戦のまっただ中。サン=テグジュペリは亡命者のようにアメリカにいたわけだ。フランスは大半をドイツに占領され、政府は親ドイツのビシー政権だ。研究者が言っているように、これはどう見ても、日独伊のファッショ3国への警戒アピールだろう。

「星の王子さま」の多面の顔を改めて見いださざるを得ない。

|
|

« リチャード・バック著、五木寛之訳「かもめのジョナサン」(新潮社)を読む | トップページ | 「高校生はこれを読め!」編集委員会編「高校生はこれを読め!」(北海道新聞社、本体価格1200円)を読む »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87302/49521069

この記事へのトラックバック一覧です: サン=テグジュペリ作、内藤濯訳「星の王子さま」(岩波書店、本体価格1000円)を読む:

« リチャード・バック著、五木寛之訳「かもめのジョナサン」(新潮社)を読む | トップページ | 「高校生はこれを読め!」編集委員会編「高校生はこれを読め!」(北海道新聞社、本体価格1200円)を読む »