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2010/08/23

沢木耕太郎「深夜特急1」、辺見庸「もの食う人びと」を読む

小田実の旅行記が凄すぎるので、勢いをつけて2冊ほど同じ路線ものを読んだ。

一つは、沢木耕太郎のシリーズである「深夜特急1 香港・マカオ」(新潮文庫、本体価格400円)。

Sawaki


もう一つは辺見庸「もの食う人びと」(角川文庫、本体価格686円)。

Henmiyo


沢木耕太郎は小田実から一回りほど遅れて、アジア周りでヨーロッパへと向かった。その26歳の若者らしい冒険心と貧乏さが小田実によく似ている。ヒッピー・ムーブメント以降の世代に当たるだろうから、世界放浪の若者はもはや一種の流行であったのが時代の差であろうか。

沢木耕太郎の文章は小田実の猥雑さと対照的に見事に文学的な昇華が見られ、多くの若者が「ミッドナイトエキスプレス」にあこがれたのも宜なるかなである。大変な旅なのだけど、なんだかワクワクするのである。

辺見庸はジャーナリストであり作家である。文章のプロ、報道のプロとして鍛えられた技術があり、その上におそらく生来の反骨性と文学性がどこからともなく立ち上がってくる。

ものを食べることによって人は生きる。その風景のある種のインターナショナリズムと政治社会的重さのようなものをあぶり出している。小田実、沢木耕太郎の若者らしい行き当たりばったりに対して、見取り図ができあがっている印象はあるが、それでもあくなきジャーナリスト魂で現実から予想を超えた真実を発見していく。そこが凄い。

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