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2010/08/22

小田実「何でもみてやろう」を読む

北海道庁の中庭の池のほとりで、一人さびしく本を読んでいた私である。

ちなみに読んでいたのは、小田実の「何でも見てやろう」(講談社文庫、本体価格733円)である。

Odamakoto

「まあなんとかなるやろ」。「ひとつ、アメリカに行ってやろう」と、1958年というから、もう今から52年前になるのだが、フルブライトの留学生になった小田実が持ち前の関西人メンタリティーと卓越した頭脳と行動力で、アメリカ社会をじっくりと見、そして、追い立てられるようにヨーロッパから地球を一回りして日本に戻ってくるまでの痛快旅行記である。

とにかく、貧乏だけれども、誇りを持って、なにより、観念論じゃなく具体的な現実から「世界」というものをとらえ返すというファイトがあふれている。文化と文明、アメリカ、そして貧困ということをがっちりと論じてもいるのだ。

今読むと差別的な表現だらけだが、それでもそこに差別意識は感じられない。つまり、言葉は使われる人を選ぶのだな、とも思わされた。この本は古びない。本当に、そこで問われたことはまったく今も変わっていないのではないかとも思わされた。

小田実、あらためて凄い。

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