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2010/05/15

久野収、鶴見俊輔著「思想の折り返し点で」を異論を覚えつつぐずぐず読む

久野収、鶴見俊輔著「思想の折り返し点で」(岩波現代文庫、1071円)を読む。

岩波のウェブページによれば、
ベルリンの壁の崩壊前後に「朝日ジャーナル」誌でおこなわれた二回の対談.戦後論壇の重要テーマや現代の論点を自由にそして熱く語り合う本書は,久野・鶴見『現代日本の思想』と久野・鶴見・藤田省三『戦後日本の思想』の続編的性格をもつと同時に,この二人の思想家への平易な入門書ともなっている。(解説=中川六平)

とのこと。

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久野収、鶴見俊輔は在野の哲学者で、思想の科学、プラグマティズムの実践家、べ平連運動の仲間でもある。いささか乱暴に言ってしまえば人民戦線的思考の持ち主たちか。共産党的なものに対して、思想的には厳しいが選挙を含めた行動的には同伴する。もちろん、党派よりも個が大事という姿勢は貫かれているのだが。活動歴は驚くほど長いから、世の中をよく知っているし、インターナショナルだ。わかりやすくしようと常に考えている知識人。一見過激であるが、育ちの良さが滲みでる。

吉本隆明の自立思想を評価した一方で、マルクス主義に脱帽したり、しなかやかで転向しないベ平連的市民主義を評価してしまう。それはそれでいいが、どこかで幸せな人たちであるという印象を持ってしまうのは、もっと狭い場所から自己形成をしてきた者には共感しつつもストンと落ちきらない。結局、べ平連に対する共感と不満を反復させられる。一条さゆりの戦いを称揚するが、きっとステージには上がらない。全共闘学生が丸山真男に怒った理由もきっとわかったというだろう。デスペレートな場所から遠いにもかかわらず。それが腹立たしくあるのだが。

それでも、いい人たちだなあ、と思わせるのは人徳であろうか。

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