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2010/04/26

沼野充義さんの「1Q84」評

毎日新聞2010年4月25日朝刊読書面「今週の本棚」に沼野充義さんの「1Q84 BOOK3<10月−12月>」(新潮社、1995円)評が掲載されている。

詳しくは毎日新聞かウェブページを見ていただくとして、沼野さんの書評は極めてわかりやすい。たぶん、最も良いところを突いている。続編が「期待に応えるもの」であったかと問うて、「スリリングな探偵小説のような展開だが、物語は少々停滞気味」だと評する。重ねて「いたるところに仕掛けられた謎や重い倫理的問題問題がすっきり解決されるとは言いがたい」と厳しい。

要するに、「BOOK3」は期待に応えていない作品だ、と言っていると僕は文章を解釈する。もっと下世話に言えば、期待外れ、ということになる。広げた大風呂敷は尻すぼみ。作者はさまざまな謎に答えるのではなく、「ピュアな」「愛の物語」に「立ち帰った」ということのようだ。

「BOOK4は書かれるべきだろうか? 私はそうは思わない」とも言う。なんというか、多くの人が読む新聞で断定的な物言いは避けるのがエチケットだろうから、それを勘案すると、潔いほど厳しい。僕らとしてはこの中途半端な終わり方に納得していないから、BOOK4をぜひともかくべきと思っているのだが、沼野さんのように「ひとまず終わった」と言われてしまうと、作者の意欲が薄れようというものだ。

困ったなあ。

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