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2010/03/13

川上未映子「ヘヴン」

川上未映子著「ヘヴン」(講談社、1470円)を読む。

川上未映子「ヘヴン」


昨年発表された純文学作品の中で最も高い評価を得た長編小説である。「乳と卵」で芥川賞を取ったときには、いかにも大阪のおばちゃんの過剰な話体が目立ったが、本作は一転、緊迫感ある文体で中学生の世界のイジメを描ききった。

登場人物は壮絶なイジメを受けている主人公の僕(ロンパリ)、やはり女の子たちからイジメを受けているコジマ、そしてイジメのボスの二ノ宮、そしてその仲間の百瀬である。

僕とコジマはいじめられる「仲間」として文通を始め親しくなる。そして、現実とは違うヘヴンを夢見る。だが、呵責ない暴力は続く。とにかく日常的に繰り広げられるイジメの描写がすさまじい。人間サッカーに至るとリンチである。

果たして救いはあるのか。その現実を受け入れることでいいのか。運命を引き受けることは敗北なのか。なんだかとっても考えさせられる。


川上未映子「乳と卵」については先に二度書いているので参照を。
http://takaoudo.cocolog-nifty.com/takaoudoism/2008/02/post_88a3.html

http://takaoudo.cocolog-nifty.com/takaoudoism/2008/02/post_c4e2.html


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