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2010/02/18

私小説を超える渡辺淳一「告白的恋愛論」

渡辺淳一「告白的恋愛論」(角川書店、1155円)を読む。

15年ほど前に、渡辺淳一全集の月報に執筆した原稿をまてめたものだ。

「阿寒に果つ」に描かれたガールフレンドから始まり、「ひとひらの雪」「失楽園」のモデルになった女性たちについて赤裸々に記している。

凄い「告白的恋愛論」

それにしても、渡辺淳一さんの過激さは半端じゃない。飽くことなき女性遍歴はもちろんであるが、葛藤も凄い。

愛する女性が男と住んでいるマンションに押しかけ、金鋸でチェーンを切ろうとして住居侵入の現行犯で逮捕される場面など、田山花袋もびっくり。私小説家の正系であることがわかる。

本書を誤読すれば、恋愛遍歴に俗な羨望を覚えるが、エロス以上に立ち上がってくるのは死の香りである。それは既視感というより、幻視ではないかと思える。そこがなにか痛く思えた。

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