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2010/02/27

小川洋子「猫を抱いて象と泳ぐ」

体調不良。仕方がないので、瞬間読書人。

小川洋子著「猫を抱いて象と泳ぐ」(文藝春秋、1780円)。

猫を抱いて象と泳ぐ

幻のチェスプレーヤー、リトル・アリョーヒンの一生。あまりにも孤独で美しい物語。囚われた外観を超えるゲームという人間の宇宙。寓話が問う生きることの美学。

現代人は語りすぎている。語りすぎて自分を失っている。本作の主人公は生まれつき唇を封じられている。棋譜という行いを通じて自分を示し弁解しない。

なんだか痛烈な現代批判である。わかりにくい原稿を書いて、本当の意味はなんてグダグダ言ってはいけないんだよ、諸君!

美学を貫くためには何かを犠牲にしなければならない。たとえば、大きくなること。すなわち成長することを断念するのだ。一種の芸術至上主義に畏怖を感じるのだが。

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