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2010/02/18

やはり凄い「フロム・ヘル」

アラン・ムーア作、エディ・キャンベル画、柳下 毅一郎訳の「フロム・ヘル」(みすず書房、上下巻、各2730円)を読む。

いわゆる「切り裂きジャック」の連続殺人事件が本作のモチーフ。ノンフィクション・ノベルに奇想をはめこんだような巧妙なプロットに、作者の本領たるダイナミックな構成力、奥行きのある世界観・人間観が活かされている。丹念に再現されたヴィクトリア朝末期の英国社会に、いくつもの象徴が生み出す複雑な磁場がはりめぐらされる。小説的な読み心地と鮮烈な絵の力を兼ね備え、サスペンスとイリュージョンに満ちた、無類のエンターテインメント。鬼才として知られるコミック原作者によるグラフィック・ノベルの傑作。 (「BOOK」データベースより)

Hell1

邦訳されるや、すんごい、すんごい、と世評の高かった「漫画(コミック)」である。あたしゃ、ジョニー・デップ、ヘザー・グラハム、イアン・ホルムという豪華顔ぶれの映画を見ていますが、その原作がこれだそうだ。

映画からもイギリス王国の腐臭が漂ってきていましたが、漫画からはそのロンドンのダークサイドの生活(娼婦たちが多いのですが、そして病院という名の牢獄)がびしびしと伝わってきます。ストーリーの中に組み込まれた「哲学」「世界観」の言葉も万華鏡のように反響しあいますが、エディ・キャンベルの絵がまた凄いのです。線画が中心ですが、それがなかなかにリアルです。そして、一転、画風も変えてみたり、縦横無尽な筆さばきです。

Hell2

そして、フリーメーソンを超えて「神」を目指していく殺人者のブラック・ジャックびっくりのメス捌きにも狂気が込もっています。映画で見てみたいなあ、と思うのは当然でしょうか。

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