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2010/01/15

佐々木譲「廃墟に乞う」(文藝春秋社、1680円)

「北海道警察捜査一課仙道孝司――現在、休職中 
 道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次々とやっかいな相談事が舞い込む」(文春ウェブより)
 
Haikyo

1月14日に発表された第142回直木賞選考会で、白石一文「ほかならぬ人へ」(祥伝社、1680円)とともに見事に受賞が決まった。

事前の文学通の評判では「警官の血」などに比べると、今ひとつでは、などという冷めた声が多かった。しかしながら、当方の読みでは「間違いなく受賞だべさ」というものだった。本作は警官が主人公であるが、佐々木譲のほかの警察小説のような大仕掛けは全くない分、しみじみと心に残る人情小説になっている。これはミステリーでないぶん、直木賞選考委員の評価は高くなると感じられたのだ。

案の定、金的を射止めた。非公式ルートで、当夜、東京・お茶の水の山の上ホテルで待機していた佐々木譲さんと連絡が取れた。「受賞」の知らせを聞いての第1声は「これまでの(編集)担当さんに恩返しができた」というものであった。さぞやワインがうまかったことであろう。

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コメント

谷口さん、ごぶさたです。
譲さんの直木賞、本人の照れ隠しの表情が、なんともこの間の、思わせぶりな授賞当局のあり方もあって、うなずきながら見入ってしまいました。
個人的には、今ごろになって?というハテナマーク付き。
昨年、御社の若手の方が主催した集いで、直木賞に関する質問が出て、当惑していた、というよりは、数々の作品を送り出してきて、言ってみれば新人ではなく油の乗り切った歳になって直木賞にノミネートされたことへの戸惑いや、そうされていながら選に漏れたことへの複雑胸中を語っておられたようですが、会見の照れ笑いもそんなことが背景にあるのかな、と深読みをしてしまいました。
譲さんの作品はずーっと読みつないでいきていますが、最近、描写に深みが少なくなってきているような気がします。
現実の方が、生々しいせいでしょうか?
時々、お邪魔します。

投稿: こばやし | 2010/01/16 14:18

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