« 友人の見舞いで釧路に | トップページ | 夏の終わりの宴-なぜ、北海道はミステリー作家の宝庫なのか? »

2009/08/24

無事に見舞い終わる

無事に見舞い終わる
釧路空港からバスでしばらく行き、大曲というところで下車。そこから15分ほど歩いて労災病院に着いた。釧路の街は車は多いのだが、人間はほとんど歩いていない。自転車のおばあちゃんに遭遇しなければ、暑い中、迷子になるところだった。

友人は舌癌なので言葉は分かっても話せない。それでコミュニケーションには1枚のボードが必要となる。末期だなど言われて5回も手術しているが、持ち前の根性で1年半も頑張っている。

無事に見舞い終わる

今回は出血が止まらないので緊急入院した。大変そうなので訪ねてみたのだが、思ったより元気だった。もっとも、出血部位が広がれば命は危ないだろう。ハイデガーじゃないが、死を見つめられるから人間なのだ。

具合がよくないのに、70年安保のころの小田実や辻邦生らの生原稿が出てきただの、羅臼の浜に身内が開拓農家として入植したので手伝いたいだの、好きなことを言っている。おまえ小田実の原稿見るか、ったって、無理だって。

口から血が出て止まらなくて、最初は口内炎かと思ったが、おかしいので病院に行ったら、医者が難しい顔してだまっちゃて。インフォームドコンセントだとか言って、問いつめたら、舌癌だと白状したそうだ。なんで舌癌になったのか、わからない。だから、おまえだって人ごとじゃないぞ、と言う。わかってるって。自分が特別だなんて思わないさ。普通なのに、みんな重い荷を背負わされてしまうんだ。逃げられるなんて、思ってないから。

今はこちらが無傷のように見えるけど、命の長さを知ることなんて不可能だ。はっきりしているのは、みんな老いてきて、身体という入れ物にガタがきてしまっていることだ。生きているうちに会えるとは限らないので、携帯でツーショットを撮る。ちぇっ、案の定、ピンボケだぜ。

無事に見舞い終わる

お見舞いと普段必要な小銭を渡したら、何を想ったか寛永通宝と秤銭を寄越した。ポトラッチか。

午後4時17分の汽車で帰るので、頑張れよ、と言って別れた。エレベーターの前でグッバイだ。

無事に見舞い終わる
無事に見舞い終わる

昼飯を食べてなかったので、たらば寿司の駅弁と、北の勝、福司のワンカップを買った。4時間ほど揺られて、札幌に着くことになる。

|
|

« 友人の見舞いで釧路に | トップページ | 夏の終わりの宴-なぜ、北海道はミステリー作家の宝庫なのか? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/87302/46017396

この記事へのトラックバック一覧です: 無事に見舞い終わる:

« 友人の見舞いで釧路に | トップページ | 夏の終わりの宴-なぜ、北海道はミステリー作家の宝庫なのか? »