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2009/08/22

遅ればせに直木賞「鷺と雪」を読む

鷺と雪

さて、第141回の直木賞をようやく獲った北村薫著「鷺と雪」(文藝春秋刊、本体価格1400円)を読んだ。候補作になった時に、買ったのであるが、万城目学著「プリンセス・トヨトミ」でいいじゃない、美人の西川美和さんの「きのうの神さま」も悪くないし、北村さんはさすがに受賞するはずはないと放っておいた。見事にはずれた。世の中そういうもんである、だいたいは。

それにしても、北村薫さんには「スキップ」とか「ターン」とか面白い作品はいっぱいあるし、それなのに、今更受賞というのも、素晴らしいというより、びっくり。

で、「鷺と雪」。昭和前期のレトロ・ロマンである。上流階級のお嬢さん、花村英子とお抱え運転手のベッキーさんこと別宮みつ子コンビによる少女探偵団(というにはいささか年を食いすぎているが)の活躍を描いた連作作品である。帝都に起こる不可思議な事態を次々と明らかにしていくのだが、最後の表題作「鷺と雪」は昭和11年2月の「二・二六事件」へとつながっていく。明るさは滅びの姿であろうか、と太宰治なら言うかな。

この上流階級から見た「戦前」の水圧の増大への測定はどうなんだろうか。いささか物足りない。

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