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2009/07/29

なぜ、北海道は-謎が謎呼ぶ不思議なミステリー

鷲田小彌太、井上美香著「なぜ、北海道はミステリー作家の宝庫なのか?」(亜璃西社、1680円)。

なぜ、北海道は

北海道にはミステリー作家が多い、と感じているとしたら、その実態はいかに。てなわけで、北海道ゆかりの作家・評論家たちが一堂に集められる。そして、作家の特徴と代表作の分析がコンパクトに行われ、それぞれ参考文献が示される。まことにハンディな本である。わかりやすい。

一応、北海道文学に関心は払ってきたものの、正直に言うと、エンタメ系は詳しくない。膨大なリストに圧倒された。古い作家の文章がずいぶん巧みなのにも驚かされた。既知であるが、函館の作家群像にもあらてめて感心した。

もちろん、これがミステリー作家なのか?という人もいないではないが、そんなことは小さいことだ。謎のない小説なんてないことだし。五木寛之や黒木瞳やお茶でおなじみの「八女」に「やつめ」とルビがあっても目くじらはたてるまい。

荒れた青春を送っているので、大学にはほとんど行ってないも同然なので、想像するだけなのだが、大学院のゼミあたりで指導教官と院生の間で本を作るとこんな感じになるのかな、と思った。「君、誰それの本を最低10冊読んで、10枚以内のリポートを書くように」「がんばります」みたいな演習を続けている感じだ。

松本清張を論じて曰く、<清張の人間「発掘」や「探索」熱は、彼が抱くステレオタイプの人間観や社会観を常に裏切り、乗り越えていった。いってみれば清張の作品からは、人間の本性に内在する犯罪や悪に対する、どんな力によっても押し留めることのできない、暗い情熱や快楽がおのずと伝わってくるのだ>(同書90頁)という言葉が本書をも撃っている。

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