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2009/07/20

広瀬隆著『資本主義崩壊の首謀者たち』(集英社新書、本体720円)

誰が何を仕組んできたのか!?
ソ連共産主義崩壊から20年、今度はアメリカ資本主義が瓦解!
欲望を全開にし、一握りの人間達が世界中の富を貪る!そんなシステムを容認してきた結果、世界経済は破綻した… (本の帯より)

 一九八九年にベルリンの壁が崩壊して、ソ連の共産主義は崩れ去った。そして二十年が経ち、今度はアメリカの資本主義が大崩壊を始めた。AIG、シティグループなどの実質的な国有化からもそのことは明らかであり、国家による一連の救済策は資本主義のルールではなく、社会主義、共産主義のルールに則っている。
 本書は、この重大な歴史認識を持つことから説き起こして、グローバリズム~金融腐敗という未曾有の大混乱を誰が招いたのか、ことの真相を明らかにし、さらに国民の資産を守るために、日本がとるべき新しい進路を指し示す。(本のカバーより)

資本主義崩壊の首謀者たち

著書紹介によると、広瀬隆(ひろせ・たかし)とは「一九四三年東京生まれ。作家。早稲田大学卒業。近年、アメリカ合衆国の権力構造を政財界の人脈調査から精力的に分析・研究。『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『アメリカの保守本流』(以上集英社新書)、『赤い楯』(集英社文庫)、『世界金融戦争』『世界石油戦争』(以上NHK出版)、『パンドラの箱の悪魔』(文春文庫)、『一本の鎖』(ダイヤモンド社)など著書多数。」とある。
 
ご存じ広瀬隆さんの現代世界論です。「ユダヤ陰謀論」とは一線を画すと言いつつ、やっぱり、そこが問題なのかな、と提起してくれます。
 
今回の著書よりも大作「赤い楯」を読むほうが、ずーっと面白かったように思います。本質論じゃなく、現状分析ですので、若干、くどくどしい語りになっているからでしょうか。
 
それにしても、資本主義国家の現在が資本主義のルールを守っておらず、資本主義という制度の崩壊を体現しているという指摘はまったくそのとおりのように思います。そこには腐敗があることもそのとおりのように思います。それをわかっていながらそうした経済行為を否定できない政治とはしょせん幻想だと思いますね。ついでに言えば、結局、資本主義は自己矛盾を抱えており、最終的には社会主義的にならざるを得ないということかもしれません。
 
今回の著書で印象に残ったのは、広瀬さんが紹介してくれたアメリカの新聞の批評マンガのレベルの高さです。資本家の掣肘はあるはずなのに、堂々と政治屋、経済屋の愚行を鋭く批判しているのには感心した。

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