レトロなラディカリズムのスタイル

少し前に「風のたより」第18号という雑誌が届いた。なんでも2年ぶりの発行だそうで、こちらもなぜ届いたのか、はっきり覚えていないほどである。
発行者は「風のポスト」というグループだ。執筆リストには、松本孝幸「〈潔さ〉としての大島弓子」、柏木みな「うみの向こう」3・4、伊川龍郎「近況備考欄」の3本がならんでいる。
詳しいことは知らないが、吉本主義者の自立派系の執筆者たちである。松本孝幸は昔、『やわらかな未知のものがたり』(大和書房)『吉本ばなな論』(JICC出版)などの本を書いている。しなやかな感性で、音楽やマンガ論を展開していた。伊川龍郎の単行本は読んでいないが、ハードな吉本的分析者という印象がある。
久しぶりに届いた雑誌は「風のたより」であったが、私の記憶では「風のポスト」がもともとのタイトルだったような気がする。人生いろいろなことがあるから、雑誌名の変わることも仕方あるまい。
そんなことより何より「風のたより」がすごいのは、いまだにわら半紙で作られていることだ。印刷こそパソコンで打ち出した文字を使っているが、実質的にはガリ版でつくったような雑誌である。
自立雑誌は吉本隆明の「試行」を頂点に「あんかるわ」とかいろいろあったが、そうした立派な活版雑誌は稀で、私達のようなチンピラ自立小僧はみんなガリ版でわら半紙に印刷して、自己メディアをつくったものだ。
この「風のたより」には六〇、七〇年代の自立派雑誌の雰囲気とガイストを今に伝えている。レトロなラディカリズムのスタイルがまだ生き残っている。内容が新たな一歩を踏み出しているかどうかは別に、インターネット時代になお崩さぬ手作りの発信スタイルに少し頭が下がる。
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コメント
中身よりも何よりも、表紙の漫画が「おおきく振りかぶって」なのがヒッジョーに気になります!ファンなもので。というか、こういう使い方をしてもいいんだろうか。
えっ私?私は、ちゃんと働いています。一応。
投稿: わたじゅん | 2009/04/05 18:29
単身赴任ご苦労さまです。職場を「オタク城」にしてしまわないか、心配しております。冗談ですが、と真顔でフォロー。
それから、あまりトリヴィアルな突っ込みはご法度ね。みんな困りますから、すすすと、次の話題に行ってください。
ずんずんに座布団一枚。ってことで。
投稿: 席亭うど | 2009/04/06 14:17