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2009/02/15

永遠のこどもたち

永遠のこどもたち

ファン・アントニオ・パヨナ監督。ペレン・ルエダ。フェルナンド・カヨ。ロジェール・プリンセブ。ジェラルディン・チャップリン。ギレルモ・デル・トロ製作。

子ども時代を過ごした海辺の孤児院に30年ぶりにラウラが戻ってくる。閉鎖されて久しい古い屋敷を買い取り、障害を持つ子どもたちのホームとして再建する計画だ。気がかりなのは、難病を抱えた7歳の息子シモンが空想の友だちに夢中になっていることだったが、怪しげな老女ベニグナの突然の訪問がラウラの不安を一層掻き立てる。そして、子どもたちを集めたパーティの最中にシモンは忽然と姿を消してしまう。

これはホラーであり、サスペンスであり、何よりも我が子を思う母の狂おしいほどの愛を描いた物語だ。ダークファンタジーの傑作『パンズ・ラビリンス』の鬼才ギレルモ・デル・トロが、新鋭J・A・バヨナ監督の才能と、セルシオ・G・サンチェスの脚本に惚れ込んで製作を買って出ただけあって、タイトルバックから張り巡らされた伏線の緻密さはもちろん、古い屋敷や美しい砂浜に続く洞窟などもミステリアスな展開に拍車を掛け、質の高い仕上がりになっている。本国スペインで大ヒットを記録し、08年のゴヤ賞では7部門を受賞。ハビエル・バルデム主演『海を飛ぶ夢』で好演が光ったベレン・ルエダがヒロインを熱演。(goo映画より)

永遠のこどもたち

幽霊映画である。なかなか出てこない。それは見る者が幽霊なんてインチキさ、と思っているからである。ところが、とどのつまりどうしょうもないところまで追いつめられて、やっと出てくる。見えなくても信じようとするからだ。

なぜ信じるか、というと、母の子(といっても本当は養子だが)を思う思いがまったく揺らいでいないからだ。

母は孤児院出身、子どもはHIVの陽性だ。ともにトラウマめいたものを持っている。母は子どもに元気で生きて大きくなって、と願っているが、子どもは自分が命が長くないこと、自分は母の本当の子ではないことを知っている。

とすれば、母は生きる側に希望を見いだすか、いつまでも一緒にいる側に心の安寧を見いだすかである。当然ながら、子どもが長く生きられないとすれば、いつまでも一緒にいる側に進むだろう。つまり、そこは「永遠の子どもたち」の世界である。

幽霊物語の底にあるのは親子の愛の揺らぎのなさである。幽霊に息子は連れられて行ったようで、本当は母が一緒に行くことを強いたのかもしれない。どこかで母自身の母胎回帰、幼児期への回帰の物語のようでもある。

スティグマを持った子どもに覆面をさせる、いわば「エレファントマン」的な映像=冥界へのメタファー=は多くはないが、心が痛む。

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