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2008/12/30

おくりびと

おくりびと
おくりびと
滝田洋二郎監督。小山薫堂脚本。本木雅弘。広末涼子。余貴美子。吉行和子。笹野高史。山崎努。

所属する東京のオーケストラが解散し職を失ったチェロ奏者の大悟は演奏家を続けることを諦め、妻の美香を連れて故郷の山形に戻ってくる。早速、求人広告で見つけたNKエージェントに面接に出かけ、その場で採用になるが、それは遺体を棺に納める納棺師という仕事だった。戸惑いながらも社長の佐々木に指導を受け、新人納棺師として働き始める大悟だったが、美香には冠婚葬祭関係の仕事に就いたとしか告げられずにいた。

納棺師とはなんと素敵な仕事だろう。主演の本木雅弘と山崎努のスムーズな手の動きに思わず見とれてしまう。それは美しく厳かな旅立ちの儀式にふさわしい所作なのだ。かつて旅先で遭遇した納棺の儀式に感銘を受けた本木の発案だというユニークな題材を持つ本作。『病院へ行こう』『バッテリー』などユーモアを交えつつ感動を生む人間ドラマが得意な滝田洋二郎監督がメガホンをとり、放送作家・小山薫堂が初めての映画脚本を手がけている。誰もがいつかは迎える死と、その日が来るまで笑って泣いて生きる人々の姿を、夢や仕事への誇り、あるいは親子、夫婦の絆を浮かび上がらせて描いた本作は誰の心にも深く残るに違いない。(goo映画より)

評判作であるが、見逃していた作品を見た。納棺師を主人公にした作品は珍しいだろうが、主役のモックンが几帳面さと優しさを持った職業人を見事に演じている。特別に誉めるちぎる必要はないが、十分な佳作である。

以前と言っても10年ほど前だが、木下順一さんという函館の作家が「湯灌師」という作品を書いている。ドストエフスキー的な思索の好きな作家らしく、死体との対話が行われていたと思うが、納棺を職業とする人物の内面を初めて教えてくれた力作だった。そうした人たちの物語に接するのは、それ以来である。

さて、本作。 死は人間にとって決して彼岸の物語ではない。いかにも、人間の業の現れる最後の場所である。死化粧をしながら、浮き世の思いをいかに成仏させるか。その濃密な仕事を山崎努と二人三脚で伝えている。

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コメント

泣きながら笑い、笑いながら泣いた映画でした。
山崎努、余貴美子、笹野高史というクセのある俳優達の自然な演技とモッくんの凛とした所作が
相まって好きな映画でした。
日本映画もわるくない、と思うようになったこの頃です。

投稿: kuroe | 2008/12/30 21:44

脇役がみなさん達者でしたね。
事務員役の余貴美子さん。子供を残して、帯広から流れ流れて、山形に、ということでした。北海道的な温かさのある人間をすすすと演じていました。

投稿: 席亭うど | 2009/01/01 01:27

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