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2008/11/25

市民ケーン

オーソン・ウェルズ監督。オーソン・ウェルズ&ハーマン・J・マンキーウィッツ脚本。グレッグ・トーランド撮影。バーナード・ハーマン音楽。
オーソン・ウェルズ。ジョゼフ・コットン。ルース・ウォリック。ドロシー・カミンゴア。アグネス・ムーアヘッド。

原題「Citizen Kane」。1941年米国。荒廃した壮大な邸宅の内で、片手に雪景色の一軒家のあるガラス玉を握り、“バラのつぼみ"という最後の言葉を残し新聞王ケーン(オーソン・ウェルズ)は死んだ。死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは“バラのつぼみ"の中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。(goo映画より)

「市民ケーン」。名前だけは聞いていた。だが、未見であった。「市民ケーン」であるから、腐敗した政治経済権力と戦う正義のペン、みたいなものをイメージしていた。冗談じゃなく、本当です。知らないというのは恥ずかしいことです。

雑誌の付録に付いてきていたものの、忙しさにかまけて放置してあったのだが、そのDVDをようやく見ることになった。感想。すごいな。いわゆる「破天荒 巨人伝説」を探るドキュメンタリーであった。

1人の青年がいかにして新聞王になったか。何をしたか。人としてどう愛したか。何を失ったか。重層的、多面的、時間遡及的に物語は展開します。そしてカメラ・アングルがすごい。ずっと舐めたり俯瞰したり鏡像的だったり。さらに明るかったり暗かったり影があったり。そして廃墟と黄金郷が同時背反的だったり。役者は抜群の演技力でセリフを言う。特に、主演のオーソン・ウェルズはスキャンダルで敗れる知事戦での迫力満点の演説なんかは、すごいです。新聞社が乗っ取られるとどうなるかも寓意的です。

それでいて、孤独が抜けません。「バラのつぼみ」が謎のキーワードです。わたしゃ、「薔薇の名前」なら昔、見たことがあるような気がしますが、こちらは、いささか性的な比喩のように思えますが、最後に、ああ、ケーン少年の原風景なのね、と燃えさかる火の中で明らかになります。フィルム・ノワール的です。あるいは、ちょっとロッキー・ホラー・ショー的な異界感もあります。とにかく、いろんなインスピレーションが触発されてきます。そんな凄い作品でした。

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