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2008/08/03

靖国 YASUKUNI

靖国 YASUKUNI
李纓監督。

政治家による介入で上映が一時困難になった問題のドキュメンタリー作品である。国の補助金(芸術文化振興基金)が入っていることが、遺憾という声もあったが、日本国内で映画をつくる上で使える金はすべて使うことに文句を言われる筋合いはあるまい。

勘違い人間の多くは「反日映画」と言っているようだ。これに対して、鈴木邦男は「愛日映画」とチラシで述べている。だが、どうだろう。私が見る限り、本作は「好日映画」という印象である。
 
なぜか。このドキュメンタリーがマイケル・ムーアがつくったなら、もっとエゲツなく頑迷右翼たちの心魂を寒からしめただろう。突撃リポートの2、3発はぶちかましていたはずだ。

ところが、本作は極めて冷静だ。靖国のご神体である日本刀(初耳でした)の刀鍛冶へのインタビューは「現代の名工」に接するような敬意に満ちている。そして、浄土真宗の遺族会関係者、台湾の先住民の女性のアンガージュに対しても、決してエキサイティングになっていない。さらには、日本軍と日本刀の犯した残虐行為に対してもスタティックな描き方になっている。記録映画的な部分は、昔の日本が懐かしく思えるほどだ。なんという優しさだろう。

こうした冷静さが本作の説得力を確かなものにしている。主に中国系のクリエイターの手でこうした作品が作られるのを考えると、私どもの<ナショナル>な感性の陥穽を思わずにはいられない。自己批判というものは他者の視点を抜きにはできないのだろうか。

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