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2008/04/27

ぼくたちと駐在さんの700 日戦争

ぼくたちと駐在さんの700<br />
 日戦争
塚本連平監督。市原隼人。佐々木蔵之介。麻生久美子。石田卓也。石野真子。

1979年、とある平和な田舎町。ママチャリ率いる「ぼくたち」7人は、気ままな高校生活を送っていた。ぼくたちがする事と言えば、ママチャリが考えるイタズラ。ところが、ぼくたちのイタズラに怯まない駐在さんがやってきた。しかし、これがママチャリを熱くさせてしまった。しかも、駐在さんには、町一番の美人妻がいるではないか。許せん!かくして、田舎の町を舞台に、駐在さんとぼくたちのしょうもない戦いが始まった。

人気ブログランキング第1位を総なめにした、怪物ブログ小説、「ぼくちゅう」が、早くも映画になった。昭和54年の田舎町を舞台にした、半実話の物語である。日本が今より、ほんの少し良かった時代、7人の高校生たちは、学校や町の人々にイタズラをしては、楽しんでいた。それに、毅然と立ち向かったのが新しくやってきた駐在さんだった。少年たちを厳しく取り締まるだけではなく、教師のように、親のように、また時には悪ガキ仲間のように、悪ガキにぶつかっていく駐在さんに、ちょっぴり惚れてしまうかも。「ぼくたち」には、市原隼人、石田卓也ら、青春映画のニュースターが総出演。頼もしい駐在さんには、佐々木蔵之助が颯爽と扮している。(goo映画より)

なんだか楽しい。つまり、国家権力と楽しいバトルが成立していることが、奇跡だ。だって、1979年だ。僕の記憶では、虞犯少年たちと制服警官がいたずら合戦をするなんてことは、2つの安保闘争を超えて、姿を消したはずだ。国家権力は中央統制下で、それになびかぬ者を抑圧する方向にシフトしたからだ。それでも、ここではそうした疑似親子的な価値収束による知恵比べが繰り広げられている。ありえない。でも、宣伝文には「(半)実話」とある。日本も広いものだ。いや、栃木県は、と言いたいところだが、まさに北関東エリアは連合赤軍事件の凶行が山岳地帯に追い込まれていく中で、警察もそんな甘いことはしていられなかったはずだ。桃源郷はそれでも存在したとすれば、繰り返すが奇跡だ。

主演の市原隼人。初めて知ったが、いい男だ。存在感がすごい。いかにも主役だ。対する佐々木蔵之助。こちらは国家権力の中にファジーな男気を持ち込む駐在役だが、相手役として十分だ。そして、駐在の妻にしてママチャリ軍団のアイドル役の麻生久美子。甘えたい男たちの心を満たして十分である。しかも、元レディース暴走族って、下妻物語か。そのほか、わけわからん個性派が勢揃い。花火師アチャコじゃなかった親方の竹中直人は職人の典型をデフォルメしつつ見事に外さない。そして、母ちゃんの石野真子。ソフトクリームをうまくつくれないくらいに可愛い。子沢山のバナナ親父・ガッツ石松はまんまやんけ。ゴムそば屋の片桐はいりetc.。遊び心が伝わってくるぜ。

そして、1979年という昭和の爛熟期。昭和30年代の郷愁とは違う近過去の少年時代ジュブナイルへと、ストリップじゃなくてスリッパでもない、スリップする心地よさがマルちゃんなのだ。700日にわたる争闘はまだ100日を超えたところだそうだ。ありえない空間が人の心の欠落を照らすことはありうるものだ。

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1979年、とある田舎町。 “ママチャリ”率いる7人の高校生はみなぎるエネルギーをイタズラに燃やす熱血集団。 オトナを食ったような彼らの前に突然国家権力=警察官が立ちはだかる。 彼らと正面から向き合う駐在さんとの闘いの火蓋が切って落とされた。 何と駐在さんからもイタズラのリベンジが…。 軍配はどちらに? 青春ドラマ。... [続きを読む]

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