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2008/03/04

オキナワ、イメージの縁( エッジ)

オキナワ、イメージの縁(<br />
 エッジ)
仲里効著。未来社、本体価格2200円。

例によって体調悪い。風邪なのか頭痛もする。仕方がないので、自堕落な生活に変化をつけ、本を読む。

著者は1947年、沖縄南大東島生まれ。中学まで島で育ち、高校は那覇、大学はアメリカ占領下の沖縄からパスポートを持ち東京に「留学」。法政大学卒。1995年に雑誌「EDGE」(APO)創刊に加わり、編集長。山形国際ドキュメンタリー映画祭2003・沖縄特集<琉球電影列伝>コーディネーター。

そんなわけで、本書は沖縄映画について論じた本である。とはいえ、それ以上に力が入れられているのは、沖縄がたどってきた現代史、70年前後の復帰をめぐるさまざまな思潮の噴出をその発言者を含め、あらためて拾い直していることである。

森敦、北一輝、沖縄青年同盟、屋良朝苗、上原安隆、森口豁、桐山襲、謝花昇、新川明、フランツ・ファノン、川満信一、島尾敏雄、中里友豪、中屋幸吉、深作欣二、笠原和夫、新城喜史、中島貞夫、竹中労、大島渚、友利雅人、長部日出雄、東松照明、今村昌平、磯見忠彦、唐十郎、岡本恵徳、勝連繁雄、寺山修司、東陽一、川田洋、伊礼孝、中野好夫、中上健次、松田政男、島成郎、高嶺剛、中平卓馬……。

知らない人も少なくないが、70年前後に青春期を過ごした人間にとっては懐かしい名前ばかりだ。とりわけ、新川明さんはジャーナリストでありながら、思想家として俗流の復帰論を超えたオキナワ論を提示してみせた。

著者の仲里氏の沖縄復帰に対する視点は明快だ。少し短絡的かもしれないが、「反復帰・沖縄自立」である。この旗印にかけた青春のラジカリズムは変わっていない。ゆえに、後書きに言う。

「沖縄の日本復帰とその後の35年、そして今、私たちが目にしている光景は、日本への一体化幻想をグラフト(接木)化した、アメリカナイゼーションの日本的変態によって沖縄の時間と空間が浸食されていく姿である」

仲里氏の思想には明らかに吉本隆明の影響が見て取れる。彼は戦前の皇民化教育による共同体の極限を複眼を持って見つつ、戦後の、とりわけ復帰後の国民=日本人教育の責任を問うのである。

30数年前、沖縄は近くにあった。ベトナムへの侵略前線基地化を阻止し、沖縄返還協定は粉砕すべきであり、「第3次琉球処分」などは断じて認められなかった。だが、今は遠い。若者たちの南島観光や馬鹿な団塊世代の移住がブームなどと聞くと、虫酸が走るだけだ。米軍基地の問題には怒りは覚えれども、米軍ではなくニッポン政府の問題のはずだ。それでも、復帰問題が問われた時に沖縄で煮詰められた、沖縄と日本と世界を問い返すこうした持続した志を見聞するにつけ、心揺さぶられるものがある。

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