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2008/03/30

迷子の警察音楽隊

迷子の警察音楽隊
本作はイスラエルで起きたエジプトからの珍客との1日の交流物語である。テーマはすれ違い。もちろん、否定的な意味ばかりではなく、政治や文化、言葉、年齢、性の違いによって導かれるものであるが故に、それは決して和解不可能なギャップではないと信じているところに、救いが生まれている。

イスラエル=フランス合作。エラン・コリリン監督。サッソン・ガーベイ。ロニ・エルカベッソ。サーレフ・バクリ。カリファ・ナトゥール。

1990年代のイスラエル。空港に水色の制服に身を包んだ男たちが降り立った。彼らはアレクサンドリア警察音楽隊。文化交流のためにエジプトからやってきたが、何かの手違いか出迎えが来ない。自力で目的地へたどり着こうとした彼らは、間違えて一文字違いの別の小さな町に着いてしまう。途方にくれる彼らに助け舟を出したのは、カフェの女主人ディナだった。やがて、国や宗教を超えた交流が始まるが…。(goo映画より)

テーマに沿えば、警察音楽隊の団長トゥフィークとイスラエルの田舎町の食堂の女主人ディナの心のすれ違いがメーンである。

3年前に妻を亡くした(それは子どもの心を理解できなかったが故に、子と妻を失ったのであった)トゥフィークは、自分の信念で生きているが必ずしも皆に理解されていない。そんな彼が団員を引き連れて道に迷ってしまうわけだ。そこに現れたのが、美しいのだけれど、運がないディナ。彼女は珍客に自分と同じものを見いだし、ランチをごちそうし、一夜の宿を提供する。子どものころに見たエジプト映画、アラビアンナイトをトゥフィークと夢見るが、結局はトゥフィークは自分に設けた壁を乗り越えられず、2人の恋は実らぬままに終わる。でも、2人は好きあっており、決して理解しあっていないわけではない。それでも叶わないのである。

この2人の関係を反復するように、周辺で人物が動く。トゥフィークと色男カーレドの世代間のモラルのギャップ。そのカーレドとディナの心とは無関係の体だけのセックス。トゥフィークと悩める楽隊ナンバー2シモンの信頼と迷い…。イスラエル人の親子、夫婦、恋人たちの関係も同じだ。誤解があり、対立があり、信頼がある。

イスラエル映画であるから、エジプトの警察音楽隊の役者さんたちもアラビア語を使ってもイスラエルで活躍している人たちのようだ。イスラエルではエジプト映画が人気だったというが、戦後の建国以来、中東戦争で対立しているのだが、どこかでつながっているというのが面白い。砂漠の中に、いかにも国防的な観点からか高速道路が整備され、疑似社会主義的なアパート群やレストランのある協同アミューズセンターみたいなのが存在している。街は活気がなく、失業者が食堂のいすに腰掛けており、そして大都市への脱出を夢見ているのも面白い。イスラエル映画でありながら、映画の批評眼というものは常に両義的に機能するものだ。

冒頭のバスが止まっていて、それが全く関係なく去ったら、青い制服の音楽隊が登場する。いかにも取り残された印象が浮かんできて、つかみはOKだろう。その後、小さなコント(清掃員に邪魔される記念撮影、市役所への通じない電話、石のように固まるイスラエルのおじさんなど)が積み重なっていく。これもいい。2つの国旗が揺れる中、最後にエジプト音楽が流れる。誤解やすれ違いは終わらないけれど、またこんなシーンがきっと来るさ。そのときにはトゥフィークとディナが手を差し出したら、きっと自然につなぐだろうよ。そんな希望の色が伝わった作品である。

迷子の警察音楽隊 - goo 映画
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2008/03/29

燃えよ!ピンポン

燃えよ!ピンポン
くだらないといえばそれまでですが、面白かった。どう考えても、卓球がメジャーな映画の題材になるとは思えないのに、ソウル五輪やら謎の中国人やら怪しげなオリエンタリズムというかジャポニスムをゴッタ煮にして、しかも一種の差別ネタを使ってイケイケドンドンというのがおバカすぎるのですが、もしかしたらそれも計算の上のマイノリティー・ショーなのかという気がしました。

ロバート・ベン・ガラント監督。ダン・フォグラー。クリストファー・ウォーケン。ジョージ・ロペス。マギー・Q。ジェイソン・スコット・リー。

1988年のソウルオリンピックに、卓球のアメリカ代表として出場した天才少年ランディだが、ある事から無様に敗退してしまう。数年後、場末のカジノで曲芸を披露するほどに落ちぶれたランディの元にFBIがやってくる。それは、裏社会で行われている卓球大会への潜入捜査の依頼だった。盲目の中国人による特訓を受け、ランディは出場権を獲得。トーナメント開催会場へ向かうが、その主催者はランディの父を殺した宿敵フェンだった。(goo映画より)

主人公のランディ・デップ(本当は違います、念のため)。メタボで腹も頭も爆発しています。どう見ても、オカマキャラですし、案の定、お尻に発信機を差し込まれるわ、ホモ軍団の熱い夜の接待を受けるわ。悪の帝王で、謎の中国元卓球代表フェンはどうみても北欧系の体でっかい白人です。でも、インチキくさい英語を使ってみたり。日本代表はふんどし姿で、ピンポン唐竹割り?を披露する始末。パンダを中米のどこかで飼っているのですが、まるでやる気がないというか死んでいる。ドイツ代表はお約束通り、悪役で、ナルシストです。FBIは当然ながら007を意識していますし、なんだか「オースティン・パワーズ」のパロディのような気もしました。メードさんはチャイナ服のような着物のような混合東アジアがあふれています。小さいことは気にしない。そんな太っ腹ないい加減さがあふれています。でも、闇のピンポン世界大会みたいのが実際にあったら、怖いな、なんて思わせます。(成立しない?)

邦題は「燃えよ!ピンポン」ですが、原題は「BALLS OF FURY」。「燃えよドラゴン」の原題は「ENTER THE DRAGON」。「FIST OF FURY」が「ドラゴン 怒りの鉄拳」ですから、本作は「ドラゴン 怒りのタマタマ」ということになろうか。もっともなんのことかわからないから、「燃えよ!ピンポン」でいいのかも。ともあれ、マギー・Qとピンポンできるなら、M系ならば、結構、燃えるかもしれません。あちゃああ。

燃えよ!ピンポン - goo 映画
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2008/03/26

マイ・ブルーベリー・ナイツ

マイ・ブルーベリー・ナイツ
わが歌姫ノラ・ジョーンズの主演映画である。

フランス=香港。ウォン・カーウァイ監督、脚本。ノラ・ジョーンズ 、 ジュード・ロウ 、 デイヴィッド・ストラザーン 、 レイチェル・ワイズ 、 ナタリー・ポートマン。

恋人に捨てられたエリザベスは彼のことが忘れられず、彼の行きつけのカフェに乗り込む。そんな彼女を慰めてくれたのは、カフェのオーナー・ジェレミーと、甘酸っぱいブルーベリー・パイ。それからのエリザベスは、夜更けにジェレミーと売れ残りのパイをつつくのが日課になる。しかしそんなある日、彼女は突然ニューヨークから姿を消す。恋人への思いを断ち切れずにいたエリザベスは、あてのない旅へとひとり旅立ったのだった…。(goo映画より)

ノラ・ジョーンズに関しては「Come Away With Me」「Not Too Late」の2枚のCDを聞かせてもらい、今もipodに入れて聞いている。彼女の父親はビートルズに影響を与えたインドの音楽家だそうだ。カントリーのようなジャズのような不思議なテンポの曲に彼女の深みのある声が素晴らしい。ちなみに、「Not Too Late」の後には「For Love」と続く。おやじ心をくすぐる歌ではないか。

ジャケットは見ていたが、動く当人を見るのは初めてだ。歌姫であるが、美形というのとは違う。失礼になるのかどうかわからないが、「ガールファイト」のミシェル・ロドリゲスのような厚みを感じた。演技もスタイルも今ひとつ。だけど、なんか伝わるものがある女性だ。

本編。「ブエノスアイレス」「花様年華」などで愛の荒野を描いてきた監督がハリウッドに進出してメガホンをとった。映画的には成功しているとは言い難いが、ノラ・ジョーンズやジュード・ロウなどの魅力をたっぷりと引き出している。物語は出会いと別れのエピソードの積み重ねで、人の心の孤独を浮き彫りにしていく。そして、一種の沸点に達したときに、離れていた2人の距離が縮まる。ロードムービーのようなそうでないような。不思議な味がある。

それにしても、ジュード・ロウ。もてるよなあ。粒子の粗い、ノイズのあるカフェの若い経営者が似合い過ぎて。はえ取り紙のように、女たちが寄ってくるな、きっと。ラストのキスシーンなんて、ブルベリー・パイにミルクが絡んじゃって、お子ちゃまには困ります。レイチェル・ワイズ。ノラに比べ、女優顔が決まってました。ナタリー・ポートマン。私はファンですが、本作のヘア・スタイルでは全く感じません。まずいですね。

マイ・ブルーベリー・ナイツ - goo 映画
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銀行って、なんだろう?

自慢じゃないが、貧乏である。確かに、サラリーマンなので少々の稼ぎはあるが、親の財産があるわけでもなく、「武士の一分」ではないが、地道に暮らしている。

銀行など縁がなかった。しかるに、会社が給料を銀行振り込みにしますと言い出した。腹立たしいので、しばらく現金をもらっていたが、結局、中身のない封筒だけになった。それから、マンションを買う時に信託銀行の口座をつくらねばならなくなった。これはローン引き落としのためで、早い話が銀行が私の財産を管理してくれることになったと言えば美しいが、物件をがっちり押さえられてのローン生活に突入したのである。

そのうち1987年ころ、東京でさる三和銀行の御曹司一族らしき記者と遭遇。なんだか訳の分からないままに東洋信託銀行口座とJCBカードをもたされた。これで完全に大きなものから小さなものまで、欲望は銀行の恣意になったのだ。

ところで、腹立たしいことは、銀行の離合集散だ。給料管理会社の、拓銀など。もう消えてから久しい。そして、JCBの東洋信託だ。

年表をみると、もともとは1959年11月2日、三和銀行、神戸銀行、野村證券の3社を母体として、東洋信託銀行設立。95年8月、東海銀行の信託子会社、東海信託銀行設立。11月、三和銀行の信託子会社、三和信託銀行設立。99年10月、東洋信託銀行が三和信託銀行を合併。 2000年5月:三菱信託銀行と共同で日本マスタートラスト信託銀行の営業開始。 01年4月、東洋信託銀行、三和銀行、東海銀行が株式移転によりUFJホールディングスを設立し、その完全子会社となる。同年5月、東洋信託銀行が東海信託銀行の全株式を東海銀行から譲り受ける。 同年7月、東洋信託銀行が東海信託銀行を合併。02年1月、ユーエフジェイ信託銀行と商号変更。04年7月、ユーエフジェイ信託銀行の住友信託銀行への売却を白紙撤回、UFJホールディングスと三菱東京フィナンシャル・グループ経営統合の報道。8月、三菱UFJフィナンシャル・グループ発足で基本合意。05年10月、三菱信託銀行と合併し「三菱UFJ信託銀行」が発足(存続会社は三菱信託銀行)。(主にwikipediaより)

わが東洋信託銀行の虎ノ門支店はどこへ行ったのか。もうない。ないけど口座はある。札幌の支店は不便なので、北洋銀行からJCBのための金を振り込まなければならないのだが、振り込みカードを無くしてしまい困った。東洋信託銀行のカードを見ながら口座を探すが、以前は本店営業部扱いのはずだが、そこを指定すると口座は見あたりません。なんじゃ。電話でいろいろたずねて、ようやく東洋信託銀行虎ノ門支店は三菱UFJ信託銀行東京営業部となっていることが判明する。疲れた。

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2008/03/23

シスターズ

シスターズ
残酷さは感じられないし、セクシャルでもないし、怖くもない。それでいて、なんだか妙にひっかかる変な作品である。
ダグラス・バック監督。クロエ・セウ゛ィニー。スティーブン・レイ。ルー・ドワイヨン。ダラス・ロバーツ。

ジャーナリストのグレースは、ラカン医師が運営する小児病院での不審死を調べていた。同じ日、ボランティアとして来ていたウォレス医師は、ラカンの助手のアンジェリークと知り合った。アンジェリークは双子の姉アナベルが同居している事をウォレスに告げた。その頃、ラカン医師のオフィスに潜入したグレースは、監視カメラのモニターでウォレスが女性に殺害される現場を目撃。犯人はアンジェリークか、それともアナベルなのか。(goo映画より)

ブライアン・デ・パルマの「悪魔のシスター」のリメークだそうだ。未見である。

結合双生児や二重人格などサイコ・スリラーらしい道具立てが盛りだくさんだ。そして、ミイラ取りがミイラになるように傷を持った人間が感応して新しい姉妹が誕生するものかどうか。ぼんやり頭で見ていたので、完全にストーリーを理解できたか自信がない。

善と悪。それが合わさってこそ人間である。悪を失った人間は悪を引き寄せることでバランスを保つ。時に自分自身を変身させて。あるいは自分によく似た人間を見つけ出して。いろいろ考えると、マッド・サイエンティストのようであるが、ラカン医師はがんばってアンジェリークに治療をしていたような気がする。そこに、秩序を乱すものが侵入して、悲劇は起きる。それでも、彼が死すべきであったかどうか、疑問が残る。彼の愛に限界があったということだろうか。

記者役のクロエ・セウ゛ィニー、アンジェリークのルー・ドワイヨン、ラカン医師役のスティーブン・レイ。今ひとつ「華」がないけれど、それぞれの人物の雰囲気はよくできていた。もっと、関係を掘り下げて欲しかったが、そうすると冗漫なってしまうのを避けたのだろうか。

シスターズ - goo 映画
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魔法にかけられて

魔法にかけられて
ディズニー映画でありながら、ディズニーを超えた面白さがある。
ケヴィン・リマ監督。エイミー・アダムス。パトリック・デンプシー。ジェームズ・マースデン。スーザン・サランドン。

アンダレーシアで動物たちと暮らす美しい姫、ジゼルは、運命の人と出会い、結婚する事を夢見ていた。ある日、怪物に襲われたジゼルは、エドワード王子に助けられる。お互い一目惚れし、出会ったばかりにも関わらず、完璧なデュエットを披露し、翌日結婚する約束をする。しかし、王子の結婚を喜ばない継母のナレッサ女王は、魔女を送り込み、ジゼルを井戸に突き落とす。なんと、その井戸は、現代のニューヨークに繋がっていた。(goo映画より)

予想以上に面白かった。アニメから実写に移行するのだが、それがとっても自然なのだ。おとぎの世界は予定調和の満ち足りた世界とすれば、現実のニューヨークは怒りや悲しみがいっぱいだ。でも、その一歩踏み出した世界こそが人間らしい豊かさなのだと、この映画は言っている。目と目があったその日から、声をそろえて歌うことができ、すべてがわかるというのは素晴らしい。でも、ぶつかりあったり迷ったりしているうちに、人間はようやくわかりあえるのだ。ディズニー映画はよい子の物語だ。でも、よい子の物語も単純にはいかなくなったということか。

人間の物語でも、おとぎ話のコアも巧みに組み込まれている。ラスト。毒リンゴを食べてしまったジゼルを救う方法はない。唯一、真実の愛のキスだけが魔法を解くことができる。なんてことがあるものか。でも、いいじゃないか。そんな奇跡があっても。ファンタジーも最近はハリーポッターやらロード・オブ・ザ・リング系が増えたが、メルヘンも悪くない。

魔法にかけられて - goo 映画
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エヴァンゲリヲン降臨その20

エヴァンゲリヲン降臨その20
エヴァンゲリヲン降臨その20
気分転換にパチンコをする。久しぶりに「CR新世紀エヴァンゲリオン使徒、再び」。少し出たが、結局負ける。でも、久しぶりに綾波レイに会えたから気分は悪くない。

最近は、財布にやさしいエコパチなどという一円パチンコ(貸し玉一個一円)が増えたが、気晴らしなのでギャンブル性の高い四円パチンコ(貸し玉一個四円)に挑戦したので、ダメージは大きい。

冷静に考えると、パチンコは競馬に劣らぬギャンブルだ。一万円くらい30分で消えてしまう。恐ろしいことだ。まあ、パチンコホールはカジノと言えないこともない。

せいぜい小金が動く程度の賭けマージャンや賭けゴルフは御法度なのに、パチンコは遊戯として市民権を得ている。うーむ。世の中のボーダーはわからないことが多い。

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2008/03/21

あの、有名な

あの、有名な
ある朝、目覚めたら、私は有名になっていた。からって、うれしいとは限らんぞ。

なにげに汽車の窓から見た駅のプレートを見ながら、そう思った。

滝川。

あーあの。生活保護を不正受給し、札幌で温泉つきマンション暮らし、ススキノで豪遊。タクシーで札幌の病院まで通ったと称して、多額のカネをせしめた。暴力団員が役所を尻目に跳梁していた街。すご腕夫婦のいる街ね。


こういう形で有名になるのは、不本意極まりないないだろう。でも、当分はそのことがまず連想され話題になる。困るだろうが、どうにもならない。世の中は残酷だ。時間が過ぎるのを待つか、汚名挽回のクリーンヒットを放つしかない。

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2008/03/19

ペネロピ

ペネロピ
あるがままの自分の素晴らしさに気づいたら幸せはやってくるというおとぎ話。

マーク・パランスキー監督。クリスティーナ・リッチ。ジェームズ・マカヴォイ。リース・ウィザースプーン。ピーター・ディンクレイジ。

社交界でも注目を浴びる名家・ウィルハーン家に、ブタの鼻と耳を持ったペネロピが生まれる。娘をマスコミや世間から守るため、両親はペネロピを死んだ事に。こうして彼女は、屋敷の中だけで生きてきた。先祖の悪行によって一族にかけられた呪いを解く方法は、ただ一つ。ウィルハーン家の“仲間”、つまり名家の人間にありのままの彼女を愛してもらうしかない。だが7年もお見合いを繰り返しているのに、彼女の顔を見ても逃げ帰らない男性は現れず…!?(goo映画より)

異形の者は幸せになれない。「シーザーハンズ」、「オペラ座の怪人」「キングコング」etc..。時代の暗部を敏感に反映したトリックスターの絶望は深い。かろうじて救いを迎えるのは「エレファント・マン」」くらいか。ところが、異形の女性の運命は必ずしも悲劇的であってはならないのだ。なぜならば、女性とは希望の象徴だと思われているからか。

ブタ鼻の女の子。こんな恐ろしい呪いはまるでグリム童話かなにかの世界だ。シンデレラも顔負けの残酷な運命。会った男たちはみなたたりをおそれて逃げ出す。ところがたで食う虫も好きずき。女の子に関心を持つ者が現れる。当然ながら、美男子である。なぜ彼が彼女を好きになるのかは今ひとつわからない。姿を見ないままに、戯れたからか。でも、大切なのは女の子がこの出会いから自分も好かれる存在かもしれないと気づくことだ。呪いを解くことはかなわないが、新しい環境で生きてみようかと思い出すのだ。自分への信頼の萌芽。ドリームカムツルー。

ブタ鼻であろうとなかろうと、私は私でいい。変わることも媚びることもないんだ。そう得心した瞬間、すべて呪い(コンプレックス)は退散するのだ。なんというポジティブなメッセージか。あまりにもシンプルだが。茶化しているのじゃなく、こういう前向きな生き方が嫌いじゃない。

ブタ鼻の女の子がメーンテーマなら、片眼の小柄なトップ屋おやじがサブテーマである。彼は虚栄の裏側を暴露しようと傷を負う。このため、偽善者と組んでブタ鼻の女の子の正体をつかもうとする。しかし、女の子が覚悟を決めてからはむしろ女の子の応援団に変わる。なぜなら、彼もまた呪いをかけられた存在であったからだろう。潔く生きようとする女の子は彼自身のあるべき姿でもあるのだ。かっこいいぞ。

ブタ鼻であっても、クリスチーナ・リッチはかわいい。むしろ、キューティブロンドのリース・ウィザースプーン以上だ。ファッションも楽しめる。覆面姿でビールをストローで飲むなんて、ファンキーだぜ。

考えてみれば、みんな一つ二つは呪いをかけられて生きているのではないだろうか。くじけてなんか、いられない。

ペネロピ - goo 映画
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2008/03/18

郷土誌あさひかわ504 号

郷土誌あさひかわ504<br />
 号
渡辺三子発行人、田中スエコ編集人。あさひかわ社発行。定価250円。

「体の具合がよくなくて、発行が遅れちゃって」。電話の向こう側で三子さんがすまなそうに話している。いやいやとんでもない。もう80歳を超えているというのに、元気に走り回って、写真を撮り、広告を手配し、割り付けを指示し、雑誌の配送をしている人がそんなにいるとは思えない。創刊からもう48年くらいのはず。「最近は三六街にも行ってないの」などとのたまいながらも、しっかり大舟さんあたりには出没しているらしい。

2008年3月号の本誌の特集は「シーズンイン!’08ゴルフ場めぐり」。旭川近郊には絶好のゴルフ場がいっぱいで、その今年のコース紹介が並んでいる。トップ・エッセーは「あるた出版」会長の山崎いわお「作家の<メモ>」。札幌はススキノ方面で雑誌を出していたと思うが、山崎氏が旭川で会社つとめをしながら、この郷土誌「あさひかわ」でアルバイトをしていたのを初めて知った。

「昔は元気いっぱいでアルバイトにきてくれた若い人がずいぶんいたのに、最近はだめなのよ」と三子さん。そうなのだ。この雑誌の一番の悩みは後継者難だ。なんとか世代交代したいのだが、「これはと思った人に限ってノイローゼになったりして」新しい担い手がみつからないのだという。

名物居酒屋「大舟」のおやじ、馬場昭さんのエッセー「おじたりあんノート」は連載192回に達している。今回は「ヨダレカケ」なる珍魚にまつわるお話が展開されていた。

いつものことではあるけれど、「そのうち原稿書いてくださいよ」という社交辞令に、「がんばります」と答えたことであった。

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頭痛のための薬

頭痛のための薬
頭痛のために飲んでいる薬である。とりあえず、効かない。

1:セルベックス(エーザイ)50mg。1錠。
胃潰瘍、急性胃炎の胃粘膜出血の改善、急性胃炎の胃粘膜発赤の改善、急性胃炎の胃粘膜病変の改善、急性胃炎の胃粘膜浮腫の改善、急性胃炎の胃粘膜糜爛の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜出血の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜発赤の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜浮腫の改善、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜糜爛の改善

2:スルガム錠(サノフィ・アベンティス)1錠 。100mg。
外傷後の消炎、外傷後の鎮痛、急性気管支炎の解熱、急性気管支炎の鎮痛、急性上気道炎の解熱、急性上気道炎の鎮痛、頚肩腕症候群の消炎、頚肩腕症候群の鎮痛、肩関節周囲炎の消炎、肩関節周囲炎の鎮痛、腰痛症の消炎、腰痛症の鎮痛、手術後の消炎、手術後の鎮痛、変形性関節症の消炎、変形性関節症の鎮痛、慢性関節リウマチの消炎、慢性関節リウマチの鎮痛

3:ロキソニン錠(第一三共)60mg。1錠。
スルガム錠がない時は、こちらを服用。
外傷後の消炎、外傷後の鎮痛、関節リウマチの消炎、関節リウマチの鎮痛、急性気管支炎の解熱、急性気管支炎の鎮痛、急性上気道炎の解熱、急性上気道炎の鎮痛、頚肩腕症候群の消炎、頚肩腕症候群の鎮痛、肩関節周囲炎の消炎、肩関節周囲炎の鎮痛、腰痛症の消炎、腰痛症の鎮痛、歯痛の消炎、歯痛の鎮痛、手術後の消炎、手術後の鎮痛、抜歯後の消炎、抜歯後の鎮痛、変形性関節症の消炎、変形性関節症の鎮痛
4:新セデス錠(シオノギ)
両方の薬がない時の緊急用。
頭痛・歯痛・月経痛(生理痛)・神経痛・腰痛・外傷痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・耳痛・関節痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛の鎮痛
悪寒・発熱時の解熱

このほか、軽い精神安定剤を服用することもあり。

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愚劣な争闘と可能性の歌手

愚劣な争闘と可能性の歌手
愚劣な争闘と可能性の歌手

NHK。日本、ほう、そう、きょうかい? などと揶揄されている半国営放送である。その会長にアサヒビール相談役の福地茂雄氏が選ばれた。どうでもいいことである。外部からの経済人登用で、NHKは次第に解体されていく、ジャーナリズムととしての放送の独立性はだんだんと薄れ、経済功利性や時の権力とのなれあいが進むだろう。それは困ったことではあるが、国営放送を認めていない私としては時代の流れであろうと思っている。

この話には前触れがある。次期会長人事をめぐり、NHK経営委員のうち二人が古森重隆経営委員長(富士フイルムホールディングス社長)の議事運営を批判。「独断的に過ぎ、到底、支持することができない」として、選出過程の透明性確保などを求める抗議文を送ったのだ。その2人は菅原明子(菅原研究所所長)、保ゆかり(オフィスピュア代表)。
 
福地氏が年が明け、新会長になったことはご存じのとおりだが、菅原明子氏は抵抗し、日銀副総裁を務めたジャーナリストの藤原作弥氏を会長に推薦したが、新聞社の監査役を務めていることがわかり、藤原氏は候補から除外されてしまった。

そこで、黒い手が動き始める。まず、菅原さんが社長を務める会社がが東京国税局の税務調査を受け、7年間で約1億5千万円の所得隠しを指摘されていたことが暴露された。追徴税額は重加算税を含め約5千万円。なぜ、そんな大きな査察が突然、タイミングよくやってくるのか。言うことを聞くうちは甘く見てはむかえばたたく。アメとムチ。

なんともひどい話だ。これらはNHKというよりも、NHKをめぐる権力闘争が一人の有能な女性経営者を押しつぶしたという「いけにえ」事件として長く記憶にとどめねばなるまいと思う。新会長誕生まもなく、政府は菅原氏をNHK経営委員会委員から辞任させている。

菅原さんのスキャンダルは金銭問題にとどまらない。売れてもいない夫の歌手を紅白歌合戦に売り込んだというコネ疑惑も週刊誌に書かれた。これは人格と家族への攻撃である。あまりにも、ひどい話だ。

私はこの「売れていない夫の歌手」をよく知っている。「菅原(すがはら)やすのり」さんだ。早稲田大学出身。彼は若い時は「街角のフリオ」と言われ、ムーディーな歌のうまい魅力的な歌手だった。その後、難民キャンプをはじめ世界各地で平和コンサートを続けてきた。「長崎の鐘」に触発され日本の歌を大切に平和をうたうことに、意欲を燃やしつづけてきた。その活動はなんど紅白歌合戦になんど出てもおかしくない。

小さなコンサートで出会い、その後、時々、お手紙をいただいている。写真は数年前にいただいた案内状だ。こんな暴力と謀略にめげず、がんばって欲しいと思っている。どんな悪もその存在を抹殺することはできない。

すがはらさんが歌ってくれた歌で一番好きなのは坂本九のカバーで「ともだち」という歌だ。君の目の前の小さな花に語りかける。
「踏まれても蹴られても雨風が吹き荒れても」「ほら笑っている、ほらともだちだ」。くじけないで!

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2008/03/17

間食★無問題★8

間食★無問題★8
張師傳餅店の鳳梨酥(フォン・リー・スー)。

台湾の九イ分(きゅうふん)は、台湾北部の港町基隆の近郊の町である。観光地として有名らしい。「千と千尋の神隠し」の舞台であり、侯孝賢=ホウ・シャオシェン監督の映画「悲情城市(A City of Sadness)」のロケ地として観光客に人気なのだそうだ。

職場関係の女性が「台湾のお土産です」と1個くれたので、早速いただいた。

パイナップルケーキ(Pケーキ)は台湾では人気があるらしく、ずいぶんたくさんの種類が出ているらしい。

だいたい12個入り110元(396円)なので1個30円くらい。高いものだと90円になるという。

味は個人の好みがあるが、土産物としてはまずまずか。

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2008/03/16

ノーカントリー

ノーカントリー
アメリカがよくわかる映画だ。
ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン 監督・脚本。トミー・リー・ジョーンズ 、ハビエル・バルデム 、ジョシュ・ブローリン 、ケリー・マクドナルド。

第80回アカデミー賞作品賞・監督賞・助演男優賞など8部門受賞。原作はコーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」だそうだ。

メキシコ国境に近い砂漠でハンティング中に、偶然、死体の山に出くわしたルウェリン・モスは、大量のヘロインと現金200万ドルが残されているのを見つける。危険を承知で大金を奪ったモスに、すぐさま追っ手がかかる。必死の逃亡を図るモスを確実に追い詰めて行くのは非情の殺し屋アントン・シガー。そしてもう一人、厄介な事件に巻き込まれたモスを救うべく老保安官エド・トム・ベルが追跡を始めるのだった。(映画gooより)

さて、頭痛がひどいのですが、作業療法代わりに今春一番の話題作を見ることにしました。それにしても怖い映画でした。エアガンで人間の頭を打ち抜く冷徹な殺人マシーンは人間にはどうにもなりませんね。それでも運命に逆らうように、大金を奪った男は徹底的に逃げようとし、わけのわからない犯罪が増えたと嘆きながら、老保安官は追跡をやめません。(まさに「追跡者」だ)。言ってみれば、死は運命のようなものです、この映画では。それでも、なにかをしようとするのが人間です。だから、死に神を間に挟み、逃げる者は徹底的に逃げ、追う者は追い続けるのです。当然ながら、運命を変えることはできません。それでも、人間の抵抗の前で、死に神もまた運命を狂わされるのです。ほんの少しだけれど。

個人的には本来の主人公である老保安官にもう少しがんばってもらいたかった。つまり、いくぶんか評論家になりすぎて、語りすぎているのですね。老人にはもうまともな国なんかないぜ、と言ったって、あなたもまた同時代人であるのですから。逃げる人間と追う人間がどこかで結び会えば、殺人マシーンだって、退散するかもしれないのに。

いずれにしろ、アメリカにはベトナム戦争以来、殺人の風土ができあがってしまったということでしょうか。大金を持ち逃げしたモスはベトナムに2度出征した帰還兵だというのが、象徴的です。年齢は不明ですが、シガーがベトナム戦争と無関係に機械のようなルールを持った殺人者になれるとは思えません。

そして、このクライム・フィルムの根幹にあるのは「麻薬とマフィアと汚れた大金」です。そして、富と貧困の格差と銃社会です。これが1980年代のアメリカであるという過去形で、私たちが語ることを禁じられているとすれば、私たちもまた殺人マシーンに追われているのかもしれません。

ノーカントリー - goo 映画
ノーカントリー - goo 映画

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山岡未樹・北海道ツアー

山岡未樹・北海道ツアー
山岡未樹・北海道ツアー

頭痛がとれず。昨夜は旭川に知人の通夜で出向いた。しかし、体調は最悪で、用をたして戻ってきた。今日は頭痛がとれぬまま、義理の母の見舞いに行ったが、1時間いて自宅に戻って倒れてしまった。医者からもらった薬を2倍にして飲んだが、さっぱり痛みは取れない。夜、前から予定していたコンサートがあり、這って出かける。

Dear Friends  2008 北海道ツアー イン札幌 vol.11。札幌市中央区南6西4ライトビルB1 HEAVEN STUDIO。
ボーカル山岡未樹。ピアノ小林裕。ベース加藤真一。サックス須山恭一。ドラムス二本柳守。札幌の須山をのぞくと、みな北海道出身だが、東京でミュージシャンとして活躍している。

山岡未樹は20年以上も前から、知り合いの女性ジャズボーカリストだ。歌志内生まれで、千歳や小樽にいた。東京に出てからは、ビックバンドのメンバーなどをしていたが、独立してソロシンガーになった。力量はあるのに、なかなかビックネームにはなれない。それでもトップを張って歌い続けている。

最新アルバムの「Dear Friends」には10曲がおさめられている。「オールド・デヴィル・ムーン」「スピーク・ロウ」「イエスタデイス」「ビウィッチト」など。どれもいい。中音から伸びていく声がいい。録音ではベニー・ゴルソンやロン・カーターらが参加しているが、日本の演奏家も悪くない。

会場は小さなライブハウスで、100人足らずでいっぱいになる。当日料金4300円。水割りやビールは500円。コアなファンが多いのか、結構なにぎわいである。若い人よりも年配が多いのは、ジャズの傾向か。若者はやはりロックだろうな、やっぱり。

山岡未樹は日本語の歌を歌わない。そうすれば、もっと大衆的になるかもしれない。彼女の本意ではないかもしれないけれど。

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2008/03/12

とむらい師たち

とむらい師たち
岩波現代文庫、本体価格1000円。

相も変わらず体調がよろしくない。能力以上のことをしているからだ。そんなふうに言われるが、どんなものか。

川上未映子「乳と卵」のどっぷり大阪弁の語り口小説を読ませてもらって、そのとき感じた野坂昭如を久しぶりに読んでみたくなった。びっくりすることに、最近は岩波が「野坂昭如ルネサンス」と称して、かつての名作を復刻しているのだな。びっくり。本屋では心情三派と自称していた野坂昭如らしい「騒動師たち」にも目を引かれたが、本書のほうを選んでしまった。野坂文学の核心である「死(生)とエロス」が横溢しているのではないかという期待からだ。「ベトナム姐ちゃん」「あゝ水銀大軟膏」など5編が収められているが、もちろんメーンは表題作「とむらい師たち」である。

主人公は隠亡の息子ガンめんである。「わし(=ジャッカン)区役所の死亡係、ラッキョは葬儀自動車、先生は医者で、あんた(=ガンめん)がデスマスク師と、こら役者もそろとるやないか、4人で団結して、葬儀業界になぐりこみかけるわけや、こら金なる思うわ」と燃える4人組が<葬儀>をめぐり繰り広げる大冒険の物語だ。水子供養で大もうけしたことから、雑誌発行、葬儀のレジャー産業化で金もうけに走る全学連あがりのジャッカン組、一方、「あの死顔がもってる威厳」にこだわり万国博の向こうを張る葬儀博をめざすガンめん組に二分裂する。だが、葬儀への情熱にあふれる双方とも大成功、遅れを取っていたガンめん組は「死顔様」で新興宗教を開く。

この物語のすごいところは繰り返し出てくるガンめんの土葬体験で、いつも穴を思い浮かべる。そして、復活の儀式を企て、再生まで穴にこもるが、出てくると世界は水爆投下でみな死んでしまっている。ガンめんも母胎に還るように穴に落ちていく。その穴は隠亡だった父親が掘った死者のための穴であると同時に、自分を産み落としながら入れ替わるように亡くなった母親の陰部でもある。生と死が絡み合った人間世界を描いてきた野坂らしいテーマである。

とにかく言葉が過剰だ。どんどんどんどん沸いてくる。「あやしゅうこそものぐるおしけれ」ではないが、言葉と言葉が次々に爆発を起こして、右に左に天に地に連想が広がっていく。混沌としている。それでいて、どこかに倫理が残っている。戦中派のニヒリズムとアナーキズムを超えるエチカというわけか。野坂の持つエネルギーにあらためて驚く。

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2008/03/11

日本の財政を考える

日本の財政を考える
平成19年9月、財務省刊行リーフレット。無料。

さて、自分の人生の持ち時間も少なくなった。できれば、あと少し会社勤めをした後は、静かに自由に生きたいと思っている。そのときの原資になるのが、年金だ。だがそのシステムに刮目して見れば、崩壊しつつあるのは間違いない。

リーフレット「日本の財政を考える」を読みながら、なんだか気分は一層重くなった。「国の財政は、私たち国民一人ひとりの暮らしと深く関わっています。財政を考えることは、私たちの未来を考えることです」というが、なに言ってるんだかだ。

この国の一般歳出は83兆円である。一番多いのが社会保障費で21兆円(26%)。次いで国債費が21兆円弱(25%)、さらに地方交付税交付金15兆円(18%)で、この3つで70%を占める。残ったわずかな金で公共事業やら学校教育やら防衛などの諸事業が行われている。ちなみに、歳入も83兆円だが、その30%が公債金収入となっている。

これを家計にたとえると、月収は40万円だが、いなかへの仕送りに10万円、ローン元利払いに15万円を使っている。しかし、病院代や学校などには33万円が必要なので、新たに18万円の借金をしている。まさしく借金漬け。ローン残高は4600万円にのぼる。普通の家庭では暮らしていけない。それが日本の現実だ。その借金まみれの状態は隣近所やどこと比べても最悪である。しかもお年寄りが多いのに、働き手は少なく、しかも「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」という諦念は若い人にほど過酷である。なぜなら、彼らは自分が働きに見合ったサービスを受けられるという保証がないのだ。

私見では、もう単純な施策での活路はない。新自由主義的な格差による経済活性化論では、このひずみを解消することはできない。あえて言えば、新自由主義に対する反対派は社会民主主義しかない。この国の国民負担率は潜在的なものを含め43%である。北欧的な70%がいいかどうかは別にして、まず老後に不安のない制度を作らねばならない。それを確約したうえで、国民負担率を上げる。自由に使える金は減るが、生活に惑うことはないようにする。新自由主義に変えて、社会民主主義革命しかないのである。富の公平な配分を通じて、社会を組み替えるのだ。一方で、特別会計175兆円という不透明な無駄遣いを徹底的に再配分する。官僚に好きに使わせてはいけないのだ。

特別会計と言えば、このリーフレットには「道路財源の見直し」が明記されている。曰く「国の道路特定財源全体については、税収の全額を、毎年度の予算で道路整備に充てることを義務付けている現状の仕組みは改め、20年度の通常国会において所要の法改正(をする)」とされていたのに、暫定税率をめぐる道路族の公然たる跳梁を見ると、開いた口がしまらない。平成18年12月8日の閣議決定とはなんだったのか。官製リーフレットはこの国の政治の貧困も浮かび上がらせている。

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2008/03/10

ダージリン急行

ダージリン急行
ウェス・アンダーソン監督。オーウェン・ウィルソン。エイドリアン・ブロディ。ジェイソン・シュワルツマン。アンジェリカ・ヒューストン。ナタリー・ポートマン。

いいね。この色。行ったことないけど、インドだね。青い空、人の息づかいが伝わる市場、そして黄土色の大地。そして、いかれた3人兄弟のマジカルミステリーツアー。一応、母を訪ねる心の旅だけれど、そう簡単にはおさまらない。それでも、家族愛はインド亜大陸の混沌の中に浮かび上がる。傑作だ。

ヴイトンのバッグみたいなおそろいの旅行セットを持つホイットマン3兄弟。おそらく超一流のお金持ちブラザーズだ。交通事故での父の死から離ればなれになっていたが、長年の呼びかけでインドのダージリン急行の旅に集合したのだ。だが、横柄な兄フランシス、調子のいい弟ピーター、内向的(でも恋愛は早い)な末弟ジャックの仲は簡単には戻らない。そんな単色のいがみあいを美しい家族愛に染め上げるのはインドの大地だ。あほなことを続けるうちに、いつしか3人の心は通じ合っていく。そして、父の死に姿を見せなかった母親に会って、一族の胸につかえたわだかまりは氷解するのか。

ロードムービーだ。みんなスティグマ(傷)をかかえている。おたがいにその傷口に塩をなすりつけるのだが、それによってスティグマは静かに消えていく。ヒンズーの世界観をよく知るわけではないし、この3バカがそれを理解しているはずもないが、一種のレットイットビーなのだ。小賢しい知恵などなんの役にも立たない。でも、大地に生まれた人が大地に還る。インドの大地と水と人はしみじみ沁みてくる。

ダージリン急行のまじめな車掌、魅力的なライム娘の美女リタをはじめとした同行者たちは3兄弟の混乱を映す鏡だ。そして、冒頭の短編「ホテル・シュヴァリエ」に登場する青あざの女を演じるナタリー・ポートマンも印象的だ。全裸です。最近よく脱いでますね。

一番印象に残るのは走るシーンだ。タクシーを飛ばしてきた紳士が「あの列車だ」と言ってホームに行くが、列車はすでに動き出している。なんとか飛び乗ろうとするが、追いつかない。すると、後ろから背高のっぽの男がフル回転でやってくる。足が長いのか走るのが速いのか。あきらめた紳士を尻目に、男は見事に列車に飛び込む。その列車がダージリン急行だ。そしてラスト。3バカ兄弟がバッグを手に列車を追いかける。重いセレブの荷物を捨てて、ようやく飛び乗った3人の解放された笑顔。いい終わり方だ。別にインドが心の迷いを洗い流すなんて思わないが、それでもイインドだ。

ダージリン急行 - goo 映画
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2008/03/09

クロサギ

クロサギ
石井康晴監督。山下智久。堀北真希。加藤浩次。市川由衣。大地真央。竹中直人。哀川翔。山崎努。

原作は少年雑誌連載漫画。黒丸・原作、夏原武・原案。

詐欺師(シロサギ、アカサギ)をだます詐欺師をクロサギというのだそうだ。初耳です。

かつて詐欺師のために家族を失った青年・黒崎は復讐を果たすべくクロサギとなった。家族のかたきである御木本を追っているが、情報源としているフィクサーの桂木から、詐欺被害にあったレイコを紹介され、新たなターゲットを告げられる。贈答詐欺を生業としているが、手形にからんだ大型犯罪を手がけている石垣である。ITベンチャーの社長やPC販売員として石垣に近づくが、電子マネーによる罠をかけたところ、石垣の子分がやくざに殺されてしまう。殺人に間接的に関わったことにショックを受けるが、石垣を追いつめる気持ちに変わりはない。一方、身辺には警視庁の知能犯担当の刑事・神志名の影もちらつき始める。高飛びを謀る石垣を追いつめられるか。

テレビの人気ドラマを映画化したらしい。アイドルの山下智久主演ということで、なかなか格好いい青年だし、テレビで宣伝しているので期待して見たが、見事に裏切られた。フィルムノワールのつもりだろうが、なにからなにまで中途半端。花もなければ嵐もない、ましてや身も蓋もないのだ。薄暗い画面は陰気なだけで、逆光の中に浮かび上がるような情念の輝きのようなものは感じられない。困っちゃったな、ホント。

テーマにあるシェークスピア。ブルータス、おまえもか。新劇のようなセリフがなんどもなんども出てくる。若者たちの芝居まである(実際には演じられないが)。だけど、信じていたものに裏切られるというモチーフ。きちんと整理されていないから、それは桂木と石垣の関係か、桂木と黒崎の関係か、はたまたサムワンエルスなのか、よくわからない。人間は影か。そうだけど、それゆえに行動が問われるはずだ。悩める黒崎、それもいいけど、じれったい。

黒崎をいぶかしく思いながらも彼を慕っている氷柱の関係も、ぜんぜんだめだ。二人の間の心の通い合いは中途半端で、単なる隣人か! みたいな腹立たしさを覚えるほどだ。悩める黒崎がサインを見せない以上、名前=名字も覚えられないのも仕方がない。ヒーローとヒロインであるはずの二人のうそ寒さは見てられない。堀北真希。なんだか出ているだけという感じだ。

詐欺師をだます詐欺師の超絶技巧を期待してみているが、学芸会レベルの引っかけしか出てこない。歴戦の詐欺師がちょっと変装しただけのIT社長とPC営業マンを見分けられないなんてのは、まずあり得ない。少なくとも人を信頼させてだます人間が一番見るのは相手の目であり表情のはずだ。電子マネーカードの話でいきなり、2億円をマネーロンダリングする奴は死んでも仕方がない馬鹿だろう。納入品のパソコン箱がからっぽなんてのは詐欺どころか単純な犯罪だ。

アイドルの山下智久を支えるために山崎努や竹中直人らの芸達者がそろっているのだろうが、演技が勝手に空転して、真っ正面から絡んでいるようには見えない。期待の山下智久は格好いい青年であることは間違いないが、私の目にはオーラが映らない。シェークスピアなんて大時代的なエピソードを持ち出さず、アイドル映画として単純明快につくったほうがはるかに面白かったはずだ。なんで、そうしないのだろう。芝居の中で、急に場違いなアイドルの歌が流れるのも、なんだか不自然だ。

黒崎=山下智久と氷柱=堀北真希。生き方の違う二人がどう青春をシンクロさせるか。それをメーンテーマにしたアイドル映画にするね、ワシなら。そして、クロサギというブラックな生き方の宿命を桂木=山崎努と黒崎の擬似親子関係として映し出して、サブテーマとしてアイドル二人を遅う障害とする。後は、2つのテーマに絡めたエピソードとしてつなげていく。

山下君、いい素材なのに、もったいないなあ。明快な脚本、演出による次回作に期待したい。


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2008/03/08

バンテージ・ポイント

バンテージ・ポイント
しつこいが、面白い。
ピート・トラビス監督。デニス・クエイド。フォレスト・ウィティカー。シガーニー・ウィーバー。ウィリアム・ハート。

国際テロ対策会議が開かれていたスペイン・サラマンカ。マヨール広場でアシュトン米大統領が演説しようとしたところ、何者かによって放たれた2発の銃弾によって狙撃されてしまう。混乱が収まらぬうちに、今度は演壇が爆破されて多くの市民が死傷するテロが起こった。1年前に大統領を守って狙撃されたシークレットサービスのトーマス・バーンズにとっては復帰した早々の大事件だ。警察官を名乗る怪しい男を押さえたが逃げられてしまう。だが、アメリカ人旅行者やテレビクルーの目撃者らによって真相に迫っていく。

追跡者は手負いのシークレット・サービスのトーマス・バーンズ。その導き手になるのは大統領狙撃を目撃者した8人だ。

1:シークレット・サービスの同僚のテイラー。動きが怪しい。
2:アメリカ人旅行者のハワード。ソニーのビデオをかかえた好奇心おじさんだ。
3:女性TVプロデューサーのレックス。反米デモや政府批判のコメントはカットするごりごり仕事人だ。
4:スペイン警察の覆面警察官のエンリケ。女に弱いが正義感がないわけではない。
5:謎のモロッコ人のスアレス。ハワードに近づくが胡散臭い。
6:スペイン美人のベロニカ。男を手玉にとるタイプ。
7:弟を捕らわれたスナイパーのハビエル。悲劇の影がつきまとう。
8:狙撃される大統領のアシュトン。調子のいいおっさんだが、意外に人情家でしぶといかも。

映画は時間を巻き戻し、場所を移して、各人の目で見えた事件を映し出しつつ、その焦点の合わさったところに、恐るべき事実を浮かび上がらせる。テンポはすこぶる軽快。カー・チェイスやアクションも小気味いい。そして、関係者が勢揃いするクライマックス。このできすぎた一族再会は「ほんとにそうなるのかよお」とチャチャを入れたくなるが、それでも見事にフィニッシュが決まった感じだ。90分一本勝負だ。

バンテージ・ポイントとはアドバンテージ・ポイント。
それにしても、戦争とテロの誘発者であるアメリカに対するヨーロッパと周辺の民衆の反米感情、テロのネットワークの根の深さがよくわかる映画でもある。

大統領が助かるのは一人の女の子のおかげであるが、元はと言えばテロリストが女の子を助けようとしたからである。なんだか、カミユの描いたロシア帝政と戦った民衆武装派、無関係の者、とりわけ子どもを、巻き込んではならないというテロリズムの倫理主義を思い出してしまった。現代のテロリストにもその心はあってほしいというメッセージだろうか。

一方で、替え玉に対して、ワシにぜんぜん似とらんぞ、ちぇっつ、などと文句をたれるこの調子者の米大統領はモロッコ空爆を進言する側近のネオコン(スナイパーに撃たれてしまうのだけれど)に対して、「テロにはテロで報いてはならん」なんて、意外に立派なことを言うのである。それもいい。

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2008/03/07

探求者の魂- 山田昭夫の書斎から

探求者の魂-<br />
 山田昭夫の書斎から
探求者の魂-<br />
 山田昭夫の書斎から
北海道立文学館特別展示室。3月23日まで。観覧料一般400円。

中島公園の北海道文学館に寄ったついでに、開催中の企画展を見る。

山田昭夫は1928年生まれ、2004年死去。近代文学研究者・文芸評論家。札幌市生まれ、北大文学部国文科を経て東大大学院修士課程修了。中学・高校教諭などを経て1973年から1993年まで藤女子大文学部教授を務めた。「『悲劇的精神系譜』の探求を」(1960年6月、北海タイムス)はその後の北海道文学研究をリードした記念すべき評論となる。「位置」同人として「晩年の本庄陸男」をはじめ「私の有島武郎体験」などを発表。(企画展チラシの経歴を参照)

山田氏は私の大先輩であるが、まったく接点はない。たぶん北大には戻らず、隣の藤女子大にいたせいか。展示から伝わってくるのはそのまじめな研究者ぶりである。よくも悪くも学者であるなあ、とあるいは教育者だなあ、と思った。たくさんの袋に資料が収められ、ノートには几帳面に研究のメモが書き込まれている。パソコン時代の現代、研究者たちはどのようにメモを書いているのだろうか?

山田の文学論は小林多喜二や有島武郎や本庄陸男や久保栄らの文学者に着目しつつ、彼ら近代文学の傍流と思われる存在こそ北海道文学の極北性を示す営為であったことを明らかにする。そのうえで、彼らの持っていた優れた部分を学びつつ、一方で夢を果たせず終わっていった活動の中の問題点を克服しようというものであったろう。おそらく、彼らの失敗を教訓にしぶとく生き延びた者こそ、わが伊藤整であったろう。これらを通じて、北海道文学を考える作業は確かに不可欠だったろう。

並んでいる写真の中で一番印象的なのは、澤田誠一の書斎でのツーショットだろう。ずらりと並んだ書物の前で酒を飲みつつ文学論議でも交わしていたのであろうか。かなり酔いがまわった二人は気を許し恋人同士のように肩を寄せ合い笑顔でおさまっている。いうまでもなく、澤田誠一は「北方文芸」の発行人であり、北海道の同人誌文学の頂点を勝ち取る。若い文学者たちの天真爛漫ぶりが伝わってくる。そして、現在に至ってはそうした幸せな時間は決して訪れることはないだろう。

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2008/03/06

日本のすがた2008

日本のすがた2008
矢野恒太記念会編集・発行。定価1000円。

風邪で頭痛がとまらない。こうなれば、勉強でもするしかない。

本書は日本をもっと知るための社会科資料集だそうだ。別名「にほん国勢図会」ジュニア版。矢野恒太は日本の保険業界の基礎を築いた人物で、第一生命の創始者だとか。

日本の地形で川を見る。日本一長いのは信濃川367キロ。2位利根川322キロ。3位石狩川268キロ。4位天塩川256キロ。これには入っていないが十勝川も道内では大きな川だ。その源を見ると、いずれも大雪山系である。北海道の尾根から主要河川は日本海と太平洋へと流れ出している。大雪山の母なる大いさをあらためて知る。

日本農業は絶滅危機にある。いわゆる農家は50年前の半分以下の285万戸。うち販売農家は181万戸。ただし、農業が主という農家はわずか39万戸で全体の5分の1。基幹農業従事者は202万人。このうち39歳以下はわずか5%、10万人。逆に65歳以上が58%である。恐ろしいほど高齢化産業だ。跡継ぎのいる農家は7%にすぎない。新たに農業に就いた人は2006年において39歳以下は1万5000人。日本の就業者が6400万とすれば、農業従事者は働いている者の30人に1人たらずとなる。しかも、じいちゃんばあちゃん中心だ。自給率の向上やら農業自由化・国際競争力の強化を言っているが、この高齢化した足下を考えると、その失地回復の道は至難に覚える。その中でも頑張っているのが北海道だ。酪農、米作、畑作でも群を抜いている。先に述べた豊かな河川に恵まれていることを思えば、もっともっと可能性のある大地である。

一方、工業を見ると、北海道は心許ない。京浜、中京、阪神の3大工業地帯の集積力、工芸品生産の伝統もない。これは北海道にとどまらず、東北以北の特徴である。図によっては北海道は省かれていたり、載せられている東北には何もマークが付いていないことも多い。東北北海道開発はいぜんとして重要であると思える。さらに、日本は貿易立国と言われるが、主な港の貿易額の地図には北海道の姿は最初からなく、東北はからっぽだ。

世界にある国の数は昨年末で193カ国。総面積は1億3613万平方キロ。総人口は66億7100万人。日本は37万8000平方キロに1億2700万人。人口上位は中国13億2900万人、インド11億6900万人、アメリカ3億600万人だ。

以下は私の試算である。
世界が100人の村なら20人は中国人、18人はインド人である。その間を5人足らずのアメリカ人が資本主義万歳だのグローバリゼーションだの人権だの言ってまわっているわけだ。ちなみに日本人は男と女1人ずついるだけだ。

面積上位はロシアが1710万平方キロ、カナダ997万平方キロ、アメリカ963万平方キロ、中国960万平方キロだ。

世界が100平方メートルの村だったら、ロシアは約13平米でゆったり。カナダ、アメリカ、中国は7平米なので4畳半生活というところか。日本は50センチ四方の板一枚の上に立っている状態だ。立っているのは男と女なのでラブラブかもしれないが。

ラブラブといえば、社会生活基本調査によると、10歳以上の人は平均睡眠7時間42分、仕事3時間44分、テレビなど2時間24分、家事関連2時間8分、食事1時間39分、趣味・娯楽45分だそうだ。無内容な調査に文句をつけても仕方がないが、ここには恋愛の時間は入っていない。いささかつまらないことだ。

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2008/03/05

昼食★無問題★Й

昼食★無問題★Й
しょうゆラーメン。320円。

どうも役所は苦手だ。それでも、やむを得ない事情が起これば足を運ばざるを得ない。なにしろ、お上である。書類やら手続きやら、下々には優しくない。かしこまって指示に従う。

ひと息ついて、お茶でもと思い、案内係の職員に喫茶店を尋ねる。「17階にあります」。おっ、親切じゃん。役所も変わったね。エレベーターでGO。で行ってみると、まだやってませーん。ひどい。閉まっているのは、聞かれないから教えないのだね、やっぱり。ちなみに、南側の入り口側は約50メートルの雪の壁で、道路を渡っても入れませんので、遠回り。いやはや。道路の除雪は関係ないようだ。

そうこうして、二日目。一回で用が済む役所は少ないのだ。雪の壁は相変わらずなので、裏口から入る。書類の受け取りは簡単に終了。ありがとうございました。ようやく昼食へ。

昔風。美味とはなかなか言い難し。

帰りに政府刊行物センターで書籍購入。定価なり。

★札幌第一合同庁舎食堂。札幌市中央区北8条西2丁目、札幌第1合同庁舎地下1階。

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2008/03/04

オキナワ、イメージの縁( エッジ)

オキナワ、イメージの縁(<br />
 エッジ)
仲里効著。未来社、本体価格2200円。

例によって体調悪い。風邪なのか頭痛もする。仕方がないので、自堕落な生活に変化をつけ、本を読む。

著者は1947年、沖縄南大東島生まれ。中学まで島で育ち、高校は那覇、大学はアメリカ占領下の沖縄からパスポートを持ち東京に「留学」。法政大学卒。1995年に雑誌「EDGE」(APO)創刊に加わり、編集長。山形国際ドキュメンタリー映画祭2003・沖縄特集<琉球電影列伝>コーディネーター。

そんなわけで、本書は沖縄映画について論じた本である。とはいえ、それ以上に力が入れられているのは、沖縄がたどってきた現代史、70年前後の復帰をめぐるさまざまな思潮の噴出をその発言者を含め、あらためて拾い直していることである。

森敦、北一輝、沖縄青年同盟、屋良朝苗、上原安隆、森口豁、桐山襲、謝花昇、新川明、フランツ・ファノン、川満信一、島尾敏雄、中里友豪、中屋幸吉、深作欣二、笠原和夫、新城喜史、中島貞夫、竹中労、大島渚、友利雅人、長部日出雄、東松照明、今村昌平、磯見忠彦、唐十郎、岡本恵徳、勝連繁雄、寺山修司、東陽一、川田洋、伊礼孝、中野好夫、中上健次、松田政男、島成郎、高嶺剛、中平卓馬……。

知らない人も少なくないが、70年前後に青春期を過ごした人間にとっては懐かしい名前ばかりだ。とりわけ、新川明さんはジャーナリストでありながら、思想家として俗流の復帰論を超えたオキナワ論を提示してみせた。

著者の仲里氏の沖縄復帰に対する視点は明快だ。少し短絡的かもしれないが、「反復帰・沖縄自立」である。この旗印にかけた青春のラジカリズムは変わっていない。ゆえに、後書きに言う。

「沖縄の日本復帰とその後の35年、そして今、私たちが目にしている光景は、日本への一体化幻想をグラフト(接木)化した、アメリカナイゼーションの日本的変態によって沖縄の時間と空間が浸食されていく姿である」

仲里氏の思想には明らかに吉本隆明の影響が見て取れる。彼は戦前の皇民化教育による共同体の極限を複眼を持って見つつ、戦後の、とりわけ復帰後の国民=日本人教育の責任を問うのである。

30数年前、沖縄は近くにあった。ベトナムへの侵略前線基地化を阻止し、沖縄返還協定は粉砕すべきであり、「第3次琉球処分」などは断じて認められなかった。だが、今は遠い。若者たちの南島観光や馬鹿な団塊世代の移住がブームなどと聞くと、虫酸が走るだけだ。米軍基地の問題には怒りは覚えれども、米軍ではなくニッポン政府の問題のはずだ。それでも、復帰問題が問われた時に沖縄で煮詰められた、沖縄と日本と世界を問い返すこうした持続した志を見聞するにつけ、心揺さぶられるものがある。

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2008/03/03

ジャーマン+雨

ジャーマン+雨
横浜聡子監督。野嵜好美。藤岡涼音。ペーター・ハイマン。ひさうちみちお。

よし子が町にやってきた!
ゴリラ顔、強引、わがまま、天涯孤独。――林よし子、16歳。ぼろい平屋にひとりで住んでいて、学校にも行かない。美人でもないし、人から愛されるキャラでももちろんない。他人から見れば不幸そのもの?どっこいよし子はうつむかない。仕事は植木職人の見習い。毎日ののしられ、棟梁には殴られる。どっこいよし子は今日も叫ぶ。「アリンコども散れ!」よし子の夢は歌手になること。歌はすべてがオリジナル。たて笛で作曲するよし子は、近所のガキども相手にたて笛教室を始める。生徒は3人。曲ネタは、まわりの人間たち一人一人のトラウマだ!
田舎町、ぼっとん便所、四葉のクローバー、女になりたい小学生、病院で眠るダンゴ虫、やり手の女子高生、汲み取り屋の変態オヤジ、本気のドッジボール、ドイツ人・・・。すべてを突き抜けて、今日もよし子が町を駆け抜ける!(公式ホームページより)

「ジャーマン+雨」は傑作なので、必見です! とのメールをもらっていた。仕事が早めに終わったので、午後6時からの上映にかけつけた。眠いと言っていたおばちゃんもいたが、なかなかいい。

それにしても、おもろいキャラのヒロインが誕生したものだ。横浜聡子監督。まだ若い人らしいが、やるな。主人公の女の子・野嵜好美も型破りの存在感がある。

なんだかコントもどきのぎこちない映像が続くが、だんだん愛がにじみだしてくる。そして、病院のだんご虫殺人未遂の後に、よし子は放火魔の植木屋のドイツ青年の前で、「ジャーマン+雨」を熱唱する。

血と水の弁証法。自分の血をドラキュラにささげ、火を消し世界を潤す。ドイツ小僧が言う。「のどの奥に小さな黒人がいるね」って。そう、よし子はゴリラマンだけどソウルフルに世界を自分の手に入れようともがいているんだ。映画作品と同じく、主人公も、まだ途方もなく未熟だけれど。

そして、これは家族の愛の物語である。だんご虫の父を殺す思いは自分を殺す思いでもある。まさに「死ぬか、死なないか、どちらか」なのだ。それでも、ドッボーンと肥だめに落下して、臭いけれど生き延びる。いいじゃないか。

絶望なんか、たて笛で吹き飛ばせる!

ジャーマン+雨 - goo 映画
ジャーマン+雨 - goo 映画

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2008/03/02

ラスト、コーション

ラスト、コーション
アン・リー監督。トニー・レオン。タン・ウェイ。ワン・リーホン。ジョアン・チェン。

「アイス・ストーム」「グリーン・デスティニー」「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督の問題作だ。

1942年、日本軍占領下の上海。日本の傀儡とされる・汪兆銘政権の特務機関のトップであるイーは、香港で出会ったマイ夫人(ワン)と再会を果たした。だが、ワンが香港でイーに近づいたのは、抗日に燃える演劇仲間たちとともに、イーを暗殺しようと狙っていたためだった。再会はイー暗殺計画の再発動にほかならなかった。今度は学生ではなく、反日の国民党機関が関与していた。ワンはイーの家に身を寄せたが、ワンの美しさに心を奪われたイーは燃え上がる情熱をぶつけ始める。あくまでも、イーをスパイするはずのワンだったが、心は次第に揺れ始める……。禁断の愛の行方には残酷な結末が待っている。

実質的に二番館扱いでの上映を見ました。わずか60席の狭い場内は最前列を除いて、びっちり埋まっています。年配のおじいさん系が多いのはエロス映画をやっているときのマリオン劇場に似ています。やはり評判のセックス描写への関心が高いのか。もっとも、ワシも人のことは言えないが。先に見た人によれば「トニーとタンはきっと本番をやっていますよ」というが、ワシは経験が少ないので判断はつかない。でも、体位というのかアクロバティックな熱演が、役名どおり「イー」「ワン」という感じを与えていることも確かだ。もっとも、狭い劇場内では笑ったり突っ込みを入れることも不自由ですし、体をだらだら揺することも難しい。2時間半を超える大作を、直立不動モードで見ることは結構、つらかった。

「ラスト、コーション」。意味わかりません「最終、警告」みたいな感じではないかと思いました。しかし、漢字では「色、戒」と書いてあります。アルファベットを見ると、「lust caution」とある。ありゃ、last=最後じゃないんだ。字引を見ると「過度の性欲、肉欲」「警告、注意」となりますね。イーは親日派が劣勢になる中でだれも信用できないという不安を心の底に抱いているので、快楽に走るのはわからないわけではありません。これに対し、ワンは暗殺のための道具という自覚の上で愛人を務めているわけですが、決意に反して体は愛欲におぼれていきます。それというのも、イーの死を意識した激烈なセックスがワンを見せかけの愛情レベルにはとどめず、愛の嵐の中に巻き込んで翻弄してしまうのです。セックスの力はすごい。ワンの最後の行動をバカと言うべきなのかどうか、わかりませんが。
(追記:last caution と勘違いしていた自分としては、ラストの3つ。イーを助けるワンのひとこと、銃殺される直前のワンとレジスタンス青年クァンの視線の絡まり、すべてが崩壊していくことを予感しているイーの表情。その3つのラストに要注意=コーションという気もしますね)

傑作の声を多数聞きますが、ワシ的には「ブロークバック・マウンテン」のほうが衝撃的でしたよ。

この映画の背景にあるのは「汪兆銘・傀儡政権」です。この人物が持つ歴史的な位置づけは中国国民党・中国共産党の双方から「日本の犬」となるようで、彼にはもう少しインターナショナルな視点もあったのだと思いますが、人民の意識とは乖離していたことはよくわかります。彼を利用した日本軍国主義は、名画の上演中に割り込み宣伝ニュースの中で東条英機がアジテーションし、アジアをアジア人の手にと、<アジア解放>を叫びますが、住民にはそっぽを向かれます。また、お座敷でのんびり三味線で芸者が歌い踊っているのを聞き、傀儡の手先であるイーですら、「アメリカが参戦し、日本が負けてしまうのに、まだ調子はずれの歌を歌っている」と嘆きます。日本人の一人として、こうした姿はなんとも心痛いものがあります。侵略なんて、やったっていいことありません。

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2008/03/01

ジャンパー

ジャンパー
ダグ・リーマン監督。ヘイデン・クリステンセン。サミュエル・L・ジャクソン。ジェイミー・ベル。ダイアン・レイン。レイチェル・ビルソン。
一瞬のうちに行きたいところへジャンプする超能力を持つデヴィッドのタフな姿を描く。ダーティー・ヒーロー・アクションと言えよう。

デヴィッドは、さえない普通の高校生だ。好きな女の子に告白しようにも、ワルにいじめられる。だが、凍った川に落ちたとき、瞬間移動の能力に目覚める。そして、眠っていた欲望も動きだす。母が失踪してから冷たくなった父と離れ、銀行に侵入して大金をせしめ、享楽に溺れていく。だが、テレポーテーションの超能力を持つデヴィッドを追いつめようとする組織が姿を見せ始めた。彼らは魔女狩りをも行っていた由来を持つパラディンというグループだった。

スピーディなカメラワークによってジャンパーの瞬間移動がめまぐるしく描き出される。ロンドン、ニューヨーク。ローマ、エジプト、東京……。さながら、世界名所めぐりもビックリの全面ロケ展開だ。特に、ローマのコロセウムでのジャンパー対パラディンの激闘は迫力満点、東京ナイト・レースもにぎやかだ。

物語は最近よくあることだが、これもまた1作では完結していない。ジャンパー対パラディンの戦いはまだ終わっていない。ジャンパー同士で確執も生まれた。さらに、デヴィッドの母親は5歳の時に姿を消したが、その理由はデヴィッドがジャンパーであることがわかったからだった。なぜなら、彼女はパラディンの一族だったのだ。これだけではないが、続編ありの作品ってのは本来は反則だと、ちょっと思う。

主人公のヘイデン・クリステンセン。「スター・ウォーズ」のアナキンは相変わらず端正ないい男だ。線の細さも、本作のデヴィッドはぴったりか。正義のヒーローじゃなく、自堕落なはみ出し者というのもユニークだ。「マトリックス」と「ボーン・アイデンティティー」、それに、<バンパイア>と<狼男族・ライカン>の戦いを描いた「アンダーワールド」にもテイストが似ていようか。

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ライラの冒険 黄金の羅針盤

ライラの冒険黄金の羅針盤
クリス・ワイツ監督。ダコタ・ブルー・リチャーズ。ニコール・キッドマン。サム・エリオット。エヴァ・グリーン。ダニエル・クレイグ。

英国に住む少女ライラ・ベラクア。だが、そこは地球上ではなく、もう一つの世界だった。そこでは、人間の魂は守護霊として動物の形をして存在していた。そんなライラの周りで事件が起きる。子供たちが「ゴブラー」に誘拐されるのだ。親友ロジャーも姿を消した。その真相に迫ろうとしたとき、彼女の冒険が始まる。手にするのは真実を明らかにする黄金羅針盤。一緒に行くのはジプシーの一族と、守護霊のパンタライモン、そして、魔女セラフィナ・ベカーラと気球乗りのリー・スコーズビーとよろいクマのイオレク・バーニソンだ。背後で陰謀をめぐらし人間を支配しようとする宗教権力者たち、そしてなぞの女性コールター夫人。戦いと冒険はまず北極へと針路を向けるのだった。

またしても少年ファンタジーだ。短い映画好きにはちょうどいい長さだ。でも、なんだかいよいよ戦いが本格的に始まるぞ、なぞが明らかになるぞ、というところで、すべて終わりました。どうなってるねん。早く続編やれよ、第3部までひっぱるなよ、という気分が鬱積したまま終わります。これはいかん。原作はフィリップ・ブルマン「黄金の羅針盤」3部作だそうで、本編はその第1部らしい。

本作の見どころは、王位決定戦で敗れ、みじめな修理クマとして鮭ならぬ酒をえさに人間に飼い殺しにされていたよろいクマを立ち直らせて、立派なボディガードとして再生させるところでしょうか。もちろん、魔女とジプシー軍団による戦闘シーンもありますが、中心はよろいクマです。守護霊のパンタライモンはまだ形がきまっていないので変化しますが、ご主人様に匹敵するようなキャラには育っていませんね。

単独で北極に向かった叔父のアスリエル卿をダニエル・クレイグが演じていますが、いささかまともで007らしくないと映りました。15000人から選ばれた13歳のダコタちゃんはさすがに磨けば光る才能と個性を持っているようですが、個人的にはビビビとは来ません。幼さと女っぽさの二重性が欲しい役どころだと思いますが、ちょっと物足りない。

「ハリー・ポッター」の魔法と同様、ここでは「羅針盤」が超越的な力を発揮します。守護霊=ダイモンとか、魔女とか、出生の秘密とか、選ばれた少女とか、例によって子供たちにウケるアイテムをふんだんにちりばめて物語は進行します。映像はやはりファンタジーですから楽しめます。そこそこおもしろいけれど、訴えるものが少ない。そんな印象です。

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シンメトリーズSymmetrys

シンメトリーズ
小林賢太郎(fromラーメンズ)+田中知之(fromFPM)。avex trax。定価3000円。

またしても小林賢太郎だ。ファンでもなんでもないが、いつのまにか小林の本を読んだり、CDを聞く羽目に陥っている。
田中知之は、「DJ/プロデューサーとして国内外で活躍。ダンスミュージックに自身のルーツを散りばめた、独自の音楽スタイルがワールドワイドに支持されている。」とのことだが、全く知らない。ユニクロ「ユニクロック」音楽制作やNIKEプロジェクト「NIKE+」への参加、ルイ・ヴィトン/アルマーニなどのセレブ・パーティーでのDJなどでも話題となっているのだそうだ。

音楽プラスお笑いのヘッドフォン・オペラだそうだ。以下はリスト。
01 Sex (Extended Version)
02 Record of Records
03 ミニマムテレフォン
04 Hones and Clock
05 Koniwa
06 時報 Break Beats
07 No Message Rap (Live)
08 Midnight Running
09 盛り上がる人たち
10 Pringles and Bass
11 サンプラー作文
12 One Minute of Sleep
13 卒業生イン・ザ・ハウス
14 Piano and Clock
15 Samurai Breakin' (Short Version)

さて、一番シンメトリーズ(Symmetrys)らしいのは「koniwa」か。
日本人「こんにちは」、米国人「コニチワ」で始まり、物覚えの悪い米国人にいらいらする。ところが、日本人が「サンキュー」と言った時点で米国人「No No No Thank you」と攻守が逆転する。そんな具合に、小林のお笑い言語センスが音楽に乗って疾走する。有名人も結構参加しているらしい。一方、「卒業生イン・ザ・ハウス」は往年のフィンガー5の「学園天国」ばりのスクールポップの名曲だ。

「家で夜中に聴くのと、カーステレオで聴くのと、通勤中のiPodで聴くのと、たぶん印象は違うと思いますね。通勤中のiPodなんて非常におすすめで、周りに人がいるでしょう?だから笑うに笑えないじゃないですか。そうするとどんどんおかしくなってくるんですよね。」(インタビューに対しての小林賢太郎の答え)
そういうので、ipodで聞いているが、テンポの速さにびっくり。

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