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2008/02/20

詩集 登高

詩集登高
長光太著。北海道文学館、本体価格2400円。

詩集「登高」は1948年に刊行されるはずだったものを、あらためて北海道文学館(平原一良編)の尽力で上梓されたものである。

長は1907年広島生まれ。「夏の花」の原民喜と関わりが深かった。プロレタリア系の文学者。映画の仕事で北海道に移り住んだ。しばらくして東京に赴いたが、晩年は子息のいた帯広に身を寄せた。1999年92歳で死去。生涯にわたって無神論者だったので、その意志に従い、墓所は設けられなかったという。同じ北海道在住の詩人、江原光太は自分の名前は長光太の名前から借りたものだと言う。

原民喜が未刊に終わった本書のために跋を寄せている。「長光太は、人類の巨きな歴史の扉にほんの爪のかすり跡だけでもいいから己の存在していたことを残したいと云っていた。その光太の詩の片仮名の一字一字は、そういう祈願にふるえる鋭い爪か何かのようにおもえた」。

長光太の詩はまさにカタカナと若干の漢字で構成されているので、きわめて読みにくい。私も正直、一回の読書では飲み込めていない。いずれの日か再読が必要であろうと思っている。以下に表題作の一部を記す。

ナニユエオロカニ登ルノダロオカ
ナニユエ足サキノメラシ
イタダキノ雲アオギ
イドミタカブリ
ヒタスラ登ラズニオレナイ
ヒタスラ登レバイイノデアロオカ
ソラノ淵ニフカクアル頂
ナカナカヨジノボラズニワオカナイ
ムラサキノシタタリ咥エズニワオカナイ

読んでいると、呪言のようでもあり寿歌のようでもある。変わった詩だ。

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