やませみ便り
哲学者の内山節さんの個人通信「やませみ便り」第39号、第40号が届く。
内山さんは私よりも少し年上で、独学で労働過程などの分析を続けてきた人だ。その後、自然そのものへの関心や日本の山あいの人々の労働が決して商品化された労働とは別の質を持っていることを明らかにした。
だいぶ前から群馬県上野村に拠点をつくり暮らしている。
やませみ便りはその上野村からの報告。年に二回、春秋の発行で限定400部という。
39、40号は2007年のまとめだ。
内山さんは昨年、「民主主義とは何だろう、とときどき考えました」と述べる。この最良の制度はしかし、「誰もが感じているように、どこの社会においても、理想的な民主主義など機能したことはありません」と指摘する。民主主義は政権に「合法性」を与える、政権に合法性というフリーハンドを与えるだけではないのか、とも指摘。さらに、この民主主義が先進国で成立するためには「世界からの収奪」という「歴史的不正」と一体のものであったのではないか、との疑問も呈している。
民主主義が持つパラドックス。考えさせられる。
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