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2008/01/13

警官の血

警官の血
佐々木譲著。新潮社。上下巻、本体価格各1600円。
体調が思わしくないので、仕方がないんで厚い本を一気読みして過ごす。最悪。

世評の高い作品であり、直木賞の呼び声も高いようだ。私はミステリーの分野は詳しくないのであるが、なんでもファンの評価で第1位だそうだ。帯に「警官小説の最高峰」とある。

親子3代の警官の数奇な運命。初代は戦後の混乱期に「男娼殺害事件」「国鉄職員殺人事件」の謎に迫るうちに転落死する。2代目は北大潜入スパイとして赤軍派壊滅に力を発揮するが神経症となり交番警察官となって殉死する。3代目は警務部の秘密警官として捜査4課の花形係長の内偵の使命を与えられる。そして、祖父の死の秘密を暴き出し、雄々しく生きていく。

さて、感想だ。
ミステリーにしてはだいたいの謎はすでに中盤で明らかになっている。戦後の復員兵の運命として。次に警官の世界にしてもどうなのか。赤軍派スパイはリアリティもあるが、それは大衆運動には本質的なことではない。スパイも右翼もノンポリも闘士にして奔流の中で鍛えるのが革命運動なのだから。組合活動家になった兄弟の視点がもっと早くでるべきだったろうし。そして、最後の「和也」の章はおもしろいが、あの道警「稲葉事件」で書いてきたことの繰り返しというべきで、新鮮味がない。首なし銃にしろ、覚醒剤と愛人たちとの贅沢三昧も、「うたう警官」など自分の筆で語り尽くされてきたことのように思われるのだが。

私は読書音痴なので、的はずれかもしれないが、大河小説・風俗史としての趣もあり力作であることは文句なしだが、ちょっと辛かった。

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