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2008/01/06

ミリキタニの猫

ミリキタニの猫
リンダ・ハッテンドーフ監督。ジミー・ツトム・ミリキタニ。ジャニス・ミリキタニ。
2001年9月11日のニューヨークの世界貿易センター・テロの時も絵筆を動かしていたストリート・アーティストがいた。ミリキタニである。80歳を過ぎたホームレスじいさんとも言うべきこの芸術家の姿を追ったドキュメンタリーだ。
ミリキタニは日系人として米国に生まれ、広島で育った。しかし、第二次世界大戦では敵性アメリカ人としてツルー・レイクのキャンプに3年半強制収容された。すべてを没収された彼は国家を頼らず自由な芸術家として街角に生きてきた。彼を貫くのは東西文化を融合する絵画への自負、そして平和への熱い思いである。
リンダ監督は猫を愛するミリキタニを追い続けることで、NYテロ以降強まっている米国の排外主義的ナショナリズム、アラブ系人種への差別の保守主義に対して静かな戦いを宣言している。米国がというよりも人間が繰り返す愚行への見事な反撃である。
それにしても、米国国家のなす残酷さには怒りを禁じ得ないが、しかし、リンダ監督をはじめとした知識人の誠実さには驚く。「シッコ」 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督を思い浮かべてもいいが、米国の民主主義は奥が深い。

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