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2007/11/14

望みは何と訊かれたら

望みは何と訊かれたら
小池真理子著。新潮社、本体価格1900円。
1970年代初頭は残酷な時代だった。すべての夢見る者を翻弄した。目覚めの早かった者はかろうじて市民社会に着地できたが、夢見続けた者は奈落を覗くことになった。そして、その両者を分かつものは偶然以外ではない。敢えて言えば、悲劇的な殺人すらも、善悪の彼岸にあった。
小池真理子が描いた風景はそうした時代の一端であることは間違いない。だが、それは成功したとは言い難い。なぜか。
極左グループの絶望的な愚行を描くには、ぎりぎりと湧き上がってくる切迫感が弱い。要するに、私たちが知っている狂気を常識的になぞっているだけのように思えるのだ。かろうじて仙台の女子高生時代の描写にはリアリティがあるが。
恋愛物語として読むには仕掛けがミスマッチなのだ。出世作「恋」に遠く及ばない。

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